2018年3月26日月曜日

梯ノ九行詩

人間篇より


 君だけの罪(つみ)──クラスメヰトや先生と残酷をやり合ふ

 僕だけの罰(ばつ)──取り返しが付かぬまで殺(あや)めるより殺める

 肝斑(かんぱん)や斑紋(はんもん)──墜(お)ちぬ染みと堕(お)ちた色の服と肌と胸と


 肉付きと肉月──経年劣化を身に付けた青年烈火(れつか)の

 焔(ほむら)を点(つ)けた怪人の──灰燼(かひぢん)の舞ひ落ちる先のまた焰(ほむら)

 水を差されて灰神楽(はひかぐら)──今度の舞ひこそラストワルツ


 七行で着いて仕舞(しま)ふ──犀(さい)の西より馬込(まごめ)の南へ──梯(かけはし)せゝらぎ子守歌──僕には吟(うた)ふ資格がない──愛さるゝ素質がない──帰るやうな面目(めんもく)がない──修羅の身に滲(し)む高円寺の唄

 八行で尽きて終(しま)ふ──シヤボテン──モヲビル──クラヽ──ウヱストサヰド──街の鍵──デビツド──ボウヰの雅楽(ががく)

 九行で継(つ)いで了(しま)ふ──苦行──休業──供養──誰とも上手く行かなんだ──犀の星より馬込の皆へ──二度と帰らぬ人々へ──二度と帰らぬあの日々へ──天上や人間や梯の詩


畜生篇に続く


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