「すべての無常なものは比喩(ひゆ)にほかならず」
-ゲーテ「ファウスト」より
すべての不滅なものは──一つの比喩にほかならぬ。あの詩人たち(訳注 もっぱらゲーテをさす)は嘘を言いすぎるのだ。
-ニーチェ「ツァラトゥストラ」より
不滅のギョエテか、無常のニーチェか、どちらにするか決めた?
身体を燃やすジョー・ヤブーキか、精神を燃やすNori MBBMか、どちらにするか決めた?
黒く塗れ!!終末のタンゴを踊れ!!黒塗りをつんざいて、始まりのワルツを踊れ!!
TMGEを!!MBBMが!!
カバーMV、三十七ラウンド目。ミッシェルは完璧なバンドなので、一番かけ離れた弾き語り独演形式でないと勝ち目は無いと考え、はて弾き語りなら何が良いか、“赤毛のケリー”はもう公式にMVあるしな、“ドロップ”は高円寺の高架下に居る何処ぞの兄ちゃんはおろか菅田将暉だって演っていたしな、誰もが演るよな安易なカバーは芸が無いしな、“世界の終わり”に至ってはもう公式にMVがある上にミッチーも民生も吉井さんも演っていたしな、誰もが演るよな安易な(以下略)にまつわるエトセトラ──PUFFYはデビュー25周年──がエンドレスでとつおいつ思案を巡らし、誰もまだ意外と弾き語ってなさそうな、それでいて昔から手前の心に巣食って離れない、アンフィニッシュドな煩悩を燃やして舞う灰のバラッズ、この丑年に牛泥棒されたカウボーイが踊るワルツ、その“アッシュ”と相成った訳でAre you burning?(灰だけに)──
伯国(ブラジル)における下町のナポレオン“カシャーサ51”を背に、まず一献(村田英雄)
長年の持論になりますが、ミッシェルは“アルバム二枚毎で大まかな時代区分が出来る”バンドであります。即ち、初期(「カルトグラス」&「ハイタイム」)、中期(「チキンゾンビーズ」&「ギヤブルーズ」)、後期(「カサノバスネイク」&「ロデオタンデム」)、最後期(「サブリナヘヴン」&「ノーヘヴン」)で、バンド全体の雰囲気ないしメンバーの容姿や音の質感に詩の世界観等をそれぞれ分類できるという事です。
チバユウスケとクハラカズユキの髪型の変遷からウエノコウジの輩(やから)度合の亢進(こうしん)にアベフトシが鬼化してゆく過程まで、この“アルバム二枚毎の区分け”で逐一解説する事だって可能ですし、BJC指数(←今オレが作った数値基準)がTMGE最後期に掛けて高まって行くのを詳細に辿る事だって出来るのです(逆にブランキーはミッシェル化していった印象で、互いに影響を及ぼし合っていたんだな、と推察されますイベントの打ち上げで一緒に焚き火してる動画を観て)。
結局なにが言いてえかって、モッズスーツでキメた男四匹によるローファイな音宇宙が最高沸点に達してドロドロのぐっちゃぐちゃに煮詰められてtmgeからTMGEへと進化した中期こそ至高、もう完全にこのバンドどうかしてるなって瞬間が学生時代にカルチャーショック否むせかえるよカルチャー、枯れちゃう、そしてミッシェルで初めて買ったこの「ギヤブルーズ」というアルバムからの一曲“アッシュ”をカバーしたって訳さ(こう動機を話す迄のイントロが何時も長いからサブスクに不向きなMBBMはTMGEに愛と、いう、憎イエー)。
5thアルバム「カサノバスネイク」以降の後期は“つきぬけた”(ゆらゆら帝国ぢゃないよ)って感じで、まるで此処じゃない何処かで“マキシマム・ロッキン・ブルーズ”が爆発してて、最後期の7th「サブリナヘヴン」と8th「ノーヘヴン」で“完全に出来上がってしまった”(ゆら帝解散に際しての坂本さんのメッセージはマヂ心にヒットする)という印象で、この頃はもう笑えないというか笑っちゃいけないシリアスな雰囲気がプンプン漂ってるんだ(←3104丁目)……自分はやっぱり初期の可愛げとかユーモアがまだまだ残っている3rd「チキンゾンビーズ」が一番お気にのアルバムだなんて唐突な自分語り a.k.a. ハイ!チャイナ!
バーのオーナーにパシャリ撮って貰いました
今回のナンバーに相応しい場所としてラテンな雰囲気のあるバーはないか?という事で、明大前にある“カフェバー・LIVRE”さんを借りて、撮影させて頂いたのですが、オーナーの方がかつて高円寺在住かつ働いていたライヴハウスの先輩でもあり、撮影後も話が盛り上がってつい長居してしまいました。しかもお店にはチバさんも数回来店されたとのこと、予期せぬ偶然が度重なって私震えましたワよドグマッてねドグマッ!!
ウエニトベウエニ、ウエニウエニトベ
~~~~
燃えたよ
真っ白に、燃え尽きた
真っ白な灰に……
「し、試合終了です!終了ゴングと同時に精も根も尽き果てたかチャンピオン、ガックリと倒れ掛けましたが、これはダウンになりません!勝敗は遂に判定に持ち込まれました。それにしても三十七ラウンドの長丁場、終始凄まじい試合展開を見せたこの世界タイトルマッチ!日本のNori MBBM、よくやりました!最後の最後まで頑張り抜きました、バーニン屋ノリ!!さあ、判定はどう出ますか!?観衆は総立ち!!レフェリー、採点カードを集めております。」
おっちゃん、おっちゃんよ……
──おお!なんだノリ
ギターを、外してくれや
──おい来た
「集めた採点カードを係に渡しましたレフェリー。さあ、まもなく判定が出ます。」
◯◯は、いるかい?
──ここにいるわノリくん!
このギター貰ってくれ
あんたに貰ってほしいんだ……
「レフェリーが判定を読み上げます。勝敗はどちらか、緊張する一瞬!!」
“×××!!”
嗚呼……
「残念、残念です!!ぜ、善戦むなしく敗れました、日本のNori MBBM!!」
(ああっ……×××の顔を見ろ……)
(髪の毛も……あんなに……)
──惜しかったなノリ……
しかし、ようやったぜ
わしゃもう、もう何も言うこたぁねえ
よう、やった……
ノリ……!?
~~~~
次回11月25日
マイ・フィニッシュド・バラッズ最終話!!
「役者二種類どちら様」
男子、三日会わざれば刮目して見よ!!
“完全な、始まりなき詩”──
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