元々はニルヴァーナのカートが好きだった事で有名になった“ヴァセリンズ”っていうスコットランドのインディーバンドの楽曲で、60sガレージな演奏の上に透き通るよな女の子ボーカルが乗る可愛らしいナンバーなんですが、それをカートは歪ませまくった“グランジサウンド”もとい“スーパーファズ・ビッグマフ(by Mudhoney)”で、勝手にツーコードパンクなアレンジにして爆音カバーしてしまったのです。
己がカバーはニルヴァーナver.を参考に、しかしツーコードでは退屈だったので、曲後半を勝手に転調させました(ニルヴァーナはレコード音源とライヴで楽曲のキーを変える事が多いので、別に俺らも好き勝手に演ったら良いやと思って)。
カートって人は本当に“少年ナイフ”とか“ダニエル・ジョンストン”とか、歌メロは親しみやすくて普遍的なのに、こと演奏や活動のスタンスに関しては王道を外れた、否、敢えて外したローファイなバンド、インディーのB級アーティストが好きよね(ダニエル・ジョンストンのカバーもいつか演らんとな)
この曲も前述した様に至極ポップなのですが、詩がちょっと捻くれていて、“(イギリスの子供向け番組に出ていた魔女役のおばさん女優である)モリーの唇にキスしたら、魔法で何でも叶えてくれるみたいだけど、お前それ出来るか?やれるならやってみ?”というのがその大まかな内容であります。
以下、前半が原詩、後半が手前による日本語詞という形でカバーさせて頂きました(以前、ラモーンズのカバーでも採用した“ルースターズの大江方式”です)。
「Molly's Lips」
作詞・作曲:ユージン・ケリー&フランシス・マッキー
日本語詞:Nori MBBM
She said
She'd take me anywhere
She'd take me anywhere
As long as she stays with me
She said
She'd take me anywhere
She'd take me anywhere
As long as I stayed clean
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
彼女
みんなの魔女です
言うこと聞けば
何でも叶えるぜ
尻です
それより顔です
それより×××です
なに言ってんだタコ
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
She said
She'd take me anywhere
She'd take me anywhere
As long as she stays with me
尻です
それより顔です
それより×××です
なに言ってんだタコ
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
Kiss, kiss
Molly's lips
※日本語詞の方に放送禁止用語を使っちゃったので、レコーディング後にピー音を入れときました
このヴァセリンズのカバーは、ニルヴァーナの「インセスティサイド」っていうB面とか未発表曲の寄せ集めオムニバス作品に収録されているんだけど、カートがデザインしたアルバムジャケットのドクロのポーズに沿わせて実は文字が隠されていて(英語で4文字、また5文字の言い方もあるし、日本語だと3文字、丁寧に言えば4文字か)、それが手前の和訳の×××の部分に当たります、お察しください──おまんこ
MVでは“魔女のモリー”に因んで魔法使いのコスプレをしましたが、魔法の杖は「スネイプ先生モデル」を使用させて頂きました(ハリーポッターシリーズに明るい訳ではないのだが、スネイプ先生は一目見た時からビビっと通ずるものがあったのだ)。
※魔法の杖でドラムを叩いてはいけません
今から30年前の1989年、5月1日になったばかりの夜0時過ぎに俺ら生まれたのだが、この4月~5月を跨ぐ一夜は(スカンジナビア地方を含むヨーロッパ広域で)魔女たちの春の祭典“ヴァルプルギスの夜”と云われているのよ。ドイツ北部にある“ブロッケン山”という山が魔女達の集会場所として有名で、ゲーテの「ファウスト」にも登場いたしますが、そこへ直接行った事のある知人は「車の運転中に何度も魔女からのイタズラ(怪奇現象)に遭った」と話しておりました(その知人と今度、Xのhideさんのお墓参りに行ってくるよ)。
魔女達の春の祭典──今でも覚えているわ、生まれた日の夜のこと。だから今回のカバーは俺に打って付けって訳。俺はヴァルプルギスの夜生まれ、魔女の使い育ち、悪そうなウィッチは大体友達、悪そうなウィッチと大体同じ、山の道歩き見てきたこの街☽
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ニルヴァーナ/涅槃(仏教用語)のカバーなので、3年前に高円寺で買った“般若心経T”を着用
今回のMV然り、Unfinished Balladesを始めてからメインで使用しているギター(フェンジャパの赤いストラトちゃん)、実は高校の友達からの借り物なの。それを何年も借りっ放しにしていたもんだから、お金も用意して友達から買い取ろうとしたんだけど、「いいよ、あげる」って貰っちゃったんだ(そのお礼として彼の好きなニルヴァーナのレコードに、オアシスやブラーが出てくるブリットポップのドキュメンタリー映画のDVD等を遅ればせながらお返ししました)。
その高校の友達とは別々の大学になってからもよく遊んだもので、10代の終わりから20代の始め頃、謂わば青春の終わりに、ニルヴァーナとかミッシェルとかドアーズとかビートルズとか、サイケだのガレージだのブルースだのロックンロールだの、毎晩ファミレスやらマックやらで何時間も朝まで語り合ったの。カートやチバさんの物真似しながら(「もしもチバユウスケがみたらし団子を食べたら……」とか色んなモノマネレパートリーがあった)、ある時はカラオケのフリー昼夜二連チャンで入って一日で130曲くらい歌って、ウイスキーやスピリタスで声を潰し、何度もオールしては朝まで語り合ったの。東急の線路沿いを真夜中から徐々に空が明るくなる時間まで、電車もないから何時間もかけて歩いて帰った人気のない静かな街の風景、昨日の事の様に覚えているし、いま思い出しても胸騒ぎがする──BGMはバースデイの「涙がこぼれそう」、寝静まった街で勝手にブっ壊れたい最高な気分。俺は友達が少ないから、あれは貴重な青春の思い出だった。
唐突に自分語りして済まぬ。ニルヴァーナとミッシェル、それに赤いストラトをくれた高校の友達は特別なのだ。お陰でカートとチバさんの書いた詩は、今でも諳(そら)で歌えるよ。
という事で次のカバーMVはチバさんを演る!!
また更新する、バーイ




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