2019年11月15日金曜日

9人のブコウスキーと死なないだけの理由を探して(5/31の手記より)

5月31日(「30年 e.p. -XXX years-」発売翌日)に残しておいたメモ書きをいま引っ張り出してみる。だって今日は、吐き気がするほどロマンチックだぜ(絶賛水星逆行中)


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 嫌な処は何をしなくても目に付くし、好きな処も少しだけ有るし、そんな状態で「自分が大嫌いだ」と言うのは理想的で、好きな処が誰にも負けない確固たるもの故に安心して宣言できる、というもの。



 本当につらいのは、好きなど全て憎し、生きている価値なく、黒く大きな負債だけの、自分が大嫌いだ。

 I hate myself and want to die (1993, Nirvana)

 「カートは自分を好きになれば良かったのに」「生きていれば良かったに」

 ──これがエゴならば、誰か俺を殺してくれないか?

 大好きだった人や大切な人に全く理解されない世界でも、酷く傷ついた誰かさんには魅力的な人物であれますように。醜く汚れて、それでも生きて、何かの為に、君の為に。



 おい、ロマンチスト
 てめえ、ロマンチスト

 死ねないだけの理由を探して

 全部なかった事になったりして楽しいだろ、その感情も消し去るのさ
 未来永劫、誰にも気付かれる事なく、さり気なく死す

 ロックだとかバンドだとか知ったこっちゃあないね、自分が可愛いだけ
 時間とお金と愛をくれた人も居たので、生きている、生きてみる

 死ねないだけの理由を探して


彼の前に入るとつぎの牛が待っていた。ひとつ担ぐたびに、これが最後だとおもうのだが、口ではこういいつづけていた。

 あと1回
 あと1回だけ
 そしたらおれは
 やめる。
 もう
 ごめんだ。

 やつらが、私が降参するところを見たがっているのは、目つきや笑いかたからよくわかっていた。負けたくないので、私はつぎの牛にむかった。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅰ)

 本心ぢゃあ牛とはもう、これ以上やり合いたくもないが、それ以外の馬鹿に馬鹿に馬鹿に!馬鹿にされちまうから、今年も牛とやり合うのだ!で、気付いたら誰も居なくなっていた!

カーテンを開けて太陽のほうを見た。きびしい世の中ではないか。いいことはなにも起きていなかった。ドヤ街にだけはいきたくなかった。私は小さな部屋が好きだ。やる気が、闘志のようなものが湧いてくる小さな部屋が好きなのだ。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅱ)

 どの位の大きさの家が良い?部屋は何畳?良かったら魂の大きさで決めてみ?或いはそれが何人分の何個あるかで?それ本当にあるか?あるかあるかで我アルカディアにもあり?

 大人数には不向きな!しかし独りには良いであろう!狭き部屋!小さな魂!ちっぽけな心──部屋、狭い程に、精神、密度が濃くなるものだから、六畳一間は最高だ──国家に匹敵してやろうか!こんな逆上(のぼ)せた文章で!

そして床に倒れた彼女に手錠をはめた。カチリという音が聞こえた。連中はいつも、きつく締める。そして一旦はめてしまうと連中は、自分に力強さと威厳がそなわってるような錯覚を起こし、やられたほうはキリストか何かになったようでドラマチックな気分だ。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅲ)

 筋力をつけるみたく、権力をつけろよ。もっとビビってさ、体制ぶってくれよ。そしたら一生、神を虐(いじ)める側に成れるから。キリストみたく、苛(いじ)められる側にも慣れるかな?悲劇は喜劇だ、延(ひ)いては神話だ。常になるだけ、延いて観てみて!

一つ部屋で5分以上いっしょにいて不快にならないやつは、数えるほどしかいない。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅳ)

 友達の有難みを知ったよ。当然の様に一緒に居てくれた人達の有難みを。友達ぢゃないと思っていた人達が友達であったという事実を。本当にどうも有難う。

 それも5分で知ったよ。貴重な人間は貴重な存在であると。同時に貴重な音楽もまた貴重な存在であると。そんな5分で知れるよ。

 君とはずっと5分できるよ!!!!!

たとえ人にたいしてベストを期待しなくても、人々のほうが落第点をつけてくる、ということがある。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅴ)

 こちとら審査する気はないのに、こちとら審査されちゃったから、こちとらテスト浸けになってんだ、社会、分かってんのか?こちとら何回、言ったか?

「詩はごくごく短いあいだに、ものすごく多くのことを語る。散文は大したことはなにもいわず、量ばかりかさむ」
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅵ)

 言葉がそうである様に、野郎もどちら様かに分かたれる。寡黙な男と怠惰な男、俺は寡黙でなし。怠惰、ろくでなし!!

 寡黙でなしが詩を書いて、寡黙になろうと努力した。怠惰はきっと誰にでも出来るが、上手い怠惰はお喋り野郎の俺に任せろ。散文、しゃべらせろ!!

ほどほどにできないのは彼の業(ごう)のようなものだった。それでどんどん道を狭くしてしまう。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅶ)

 ハードコアにいこうぜ!ハードなコアへとゆこうぜ!深く深く掘り下げて行こうぜ!誰よりも愛している事を証そうぜ!闇雲に暗闇を明かそうぜ明かそうぜ!業が狭く深く突き刺そうぜ!おまんこしようぜ

「30になってからはな。毎度のことだよ。40を過ぎてからは、もっと気楽にやれる。でも20代の頃はそうはいかなかった。おれは気が狂った。最初のやけどが一番こたえるもんなんだ」
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅷ)

 少年「火傷(やけど)なにそれ美味しいの?」
 青年「火傷なにそれ御免だね!」
 壮年「いいや火傷病み付きだね!」
 中年「火傷は酒のアテに丁度良いよな?」
 老年「熱々でしっかり味が付いててな!え、火傷?(手前で気付いていない)」

 みな忘れるし、みな亡くなる。だのに、今日も今日とて!(やるぞい)

部屋にひとりでいるほうがマシなのはたしかだ。といって、あんまりそこに1人でいると、とんでもないことになる。4枚の壁にヤラれる。
-チャールズ・ブコウスキー(Ⅸ)

 寂しいが放って置いて呉れ。百年したら旅に出よう。ガルシア・マルケスかよ。大丈夫、大丈夫。孤独と団欒の狭間をゆけば良い。4枚の壁にはポスターとレコードを飾った。大丈夫、大丈夫。


 死なないだけの理由を探して


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 ミチロウさん、69歳のお誕生日おめでとうございます!!


 いやだと言っても 愛してやるさ (絶賛水星逆行中)


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