高円寺には23歳から住んでいるので、今年の夏でもう14年か(それまでは親と兄らと馬込文士村に住んでいた)。読み書きは昔から嫌いではなかったし、詩作も19歳から始めてはいたが、本格的に詩や文学へとのめり込む様になったのは、やはり高円寺で一人暮らしをする様になってからかしら……その集大成というか、いま持てる力の最大限の、詩を書きました。そしてそれは43分に及(およ)ぶ朗読、独白となりました。どうぞ、ご笑覧(しょうらん)ください。
文章を書く時、詩を描く際に、自分が心掛けているのは、時代と寝ないこと、現代と手を繋がないこと。だから最新流行のキーワードとか気にした事も無いし、自身のコアに直結している言葉をただ選ぶだけ。最新って最も古くなりやすいし、軽薄に年を重ねるだけだから。着実に時を経てから、何となく古いもんって何故か新しいし。
そんな前置きをしておきながら、こんな自分自身を裏切りたくなった。綺麗に洗い流したくなった、そうだ自浄作用。あゝ黒椿は悩んだ、おゝ金星人は考えた。いっそ地球へ、令和の日本へと落ちてしまおう。時代と寝よう、現代と手を繋ごう。それでも古くならねえさ、そもそも新しいも関係ねえよ。そう、生きて居られるだけの自信があるから。軽薄ぢゃねえから、着実にやってっから。それだけのこと、これだけのもの──例の如く、詩の全文をここに載っけときます(まあまあ長いので、“動画見たからもういいよ”とか“今作の思惑や意図だけ教えろ”という方は、三十七編すべて読み飛ばしてくれい)。
「令和に落ちてきた男」
by Nori MBBM
1. ドキュマン
4年前のバレンタインデーに
マイブラのカバーを演って
1ヶ月後のホワイトデーには
ヴェルヴェッツのカバーを演って
その間にロシアがウクライナへの侵攻を始めた
世はまだコロナ禍の最中で
その第六波の影響で
“蔓延防止等重点措置(まん防)”の適用が
13都府県から36都道府県までに拡大した
と2022年2月の手記にそうある
ロシアによるウクライナ侵攻の
肝を潰すよな映像を日々目の当たりにして
こんな呑気に音楽だ文学だ演っている自分が
いよいよ不謹慎に思われてきた
と3月14日にはこう記してある
コロナだ“まん防”だは一体何だったんだ
がロシアとウクライナの戦争は今この時も
日本のマスコミ、メディアは主に
ロシア側を非難していた訳だが
ウクライナやゼレンスキーに肩入れする訳も
ロシアとプーチンを非難する理由も
マスメディアほどに持ち合わせていなかった私は
太平洋戦争は大東亜戦争だったのかとか
あれは正義でこれは敵だからとか
断言する程その面の皮が厚くなかった
ただ犯罪が犯罪とならない戦争に
生活や日常をぶち壊す事に
正しいとか正しくないとかあるのか
あるとしたら何が正しい人殺しなのか
その一点のみで戦争はクソだと
断言する位この面の皮は厚かった
2. ルサンチマン
それでは揉め事を始めましょうと
始まる喧嘩はほとんど無くて
争いを始めてみましょうかと
始まった戦争はほとんど無かった
ゴロつきのイチャモンみたいな
何となく始まり何となく終わるよな
いや中々終わりが無い様な
正しい人殺しが日々続けられ
直接関わらない者は傍観者にされ
敵か味方に付かないと馬鹿にされ
早い話が馬鹿に加担させられ
何も考えないで居られる身分は平和ボケと
考えているから賢いと見なすただのボケより
つまり馬鹿より馬鹿にされる
高尚な技を貧しい術に奪われる
高度な技術への道を阻まれてしまって
楽しくて幸せなものを不謹慎に思って
敵か味方か考えないのは馬鹿者だよと
平和ボケより戦争ボケが大前提だから
プーチン/ゼレンスキーのみが選択肢だ
いや、トランプにネタニヤフに習に金に
リーダー、選り取り見取りだと
世界、さっと殺してさっと忘れよ
2022.2.24とか2023.10.7とか
それに対する制裁とか報復とか
いちいち覚えていたらキリが無い
先の大戦も数え切れない紛争も
だから戦争ボケは人類に必須なんだと
平和ボケの人間に説いて来やがる
俺ら反戦すらもしてやるかよ
お前の話つまんねえからノらねえよ
3. アンガージュマン
一挙手一投足に右派だ左派だ
政治・宗教・民族的な何かを
読み取ろうとするは病気だよ
エロ・グロ・ナンセンス的な
何か読み取ろうとする僕の逆
僕のギャグと鏡像関係かもね
だから話がつまんねえんだね
逆に面白くてこう、詩にする
卑しい深読みはヤメなさいよ
イヤらしい深読みをするわよ
深読みするほど分かりづらく
無知で蒙昧な人間でもないさ
もしそう感じられるなら時代
現代と僕が逆行しているから
声高に政治参加を叫ばないし
即ち戦争ボケを促さないから
政治が変形した戦争への参加
またその逆である政治参加に
平和ボケは平熱を保ったまま
一定距離を取りながら参加す
記号的なナチスとヒトラーを
とある集団と指導者に与えて
断罪には便利かもしれないが
高確率で誤るであろう判断と
雑な正しさとはこれ正しさか
いとも簡単な断罪はすぐさま
いとも簡単な崇拝へと変化す
憎き敵は悪しき敵方において
愛すべき友、崇拝すべき人と
かくも浮気な友敵関係を持つ
かくも脆弱な是非善悪に立つ
4. 地球に落ちてきた男
5、6歳の頃に毎日やっていたTVゲーム
「鋼鉄の騎士」とか「大戦略」とか
“キエフ”だ“ハリコフ”だ呼ばれていたのが
“キーウ”とか“ハルキウ”になっていると
そう気付いたのはウクライナ侵攻のニュース解説で
ロシア語読みをするのは侵略側に付く事だと
ウクライナとの連帯を示そうという訳か
それと同時に脳裏をよぎったのは
戦略ゲームで主要だったステージは
実際の戦場でもやはり要所要所となる訳か
ゲームぢゃねえ、馬鹿、因果が逆だ
そうは言っても立ち上がるUI
不謹慎不謹慎と云われても
より不謹慎不謹慎を突き付けられ
戦場で考えられる事を考える度
歩兵、擲弾兵、狙撃兵、近衛兵
顔や名やましてや生い立ちなんて
個々人の生を知っていたら
好きな処に配置できる訳がなく
それは一個の兵器ユニットであった
そしてそれは現実と乖離しているから
或いは現実を知らなかったから
気軽に楽しくプレイできた
今度楽しくもなく気が重くなってきたら
それ現実がゲームに近づいてきたから
歩兵が足りないから歩兵を生産すると
人間を生産するコストが必要だと
ゲームでないのにゲームだから最悪
地球だのに地球でないから最低
そうして叫ぶ、今こんなにも
詩を書くことは野蛮である
5. 令和に落ちてきた男
「実は最初から気付いていたんですけど」
「俺はずっとそう思ってたっすよ」
記憶の上書きを承認しますか
確定してから予定していた風な
時空を遡って検証不可能な
後出しじゃんけんは不粋だと
後出しでなくとも後には出さんが
誰にもやらんが手前ばかりには
あの時の友は情を演出していただけで
あの恋も愛していた振りだったとか
綺麗な想い出があったとして
数少ないんだけど確かにあって
その真白な布地に染み込ませる様に
記録の上書きに汚されてゆく
真相はこうだったと不可逆に縛られる
地球に落ちてきた男
金星で過ごした在りし日の景色
令和に落ちてきて、ふと思う
地球でまた繰り返す景色
無意識よりも自意識、認識より知識
罠だと思うんですけど
捏造が熱情と想像を奪ってゆく
真心なんて有り得ないだろと
そう有り得た真心を握り締めては
自由・平等・博愛など握り潰してしまう
過去・現在・未来に因果の上塗りで
大正・昭和・平成の関係が上書きされ
あれ、人と人の話だったっけ?
国と国との話だっけ?
金星人にはどっちもどっちだ
本当は単なる日本人なのにさ
6. 粋な男
実は金星の他に月や火星にも
仲間だったものたちが居るし
この地球に落ちてきてからも
様々な人と交友関係を持った
本当に様々な、色々な人々と
自分とは真逆の、水と油の人
今では逆に仲良くなれぬ様な
見た目も性格も全く異なる人
好みの音楽も服装も食べ物も
嫌いなそれらもバラバラな人
一緒に過ごしていた時は多分
これがずっと続くのであろう
と思っていた気がするけれど
あれはかなり絶妙な共犯関係
何かの拍子でパクられちまう
元金星人の現地球在住日本人
確かに我が出自はややこしい
話が国の成り立ちともなれば
世界の歴史は更にややこしい
仲好小好ハードモードプレイ
思い返せば仲好小好など皆無
仲の悪さを誤魔化せる関係か
好きな気持ち取り繕える間柄
悲観ではなし楽観的に見ても
完全に一致する方が有り得ぬ
ボウイの映画は観た事ある?
「地球に落ちてきた男」とか
ボウイはボウイ自身と完全に
一致する方が有り得ぬと合致
不一致において一致した男さ
本当は単なる英国人なのにさ
7. 唯一空襲のなかった県で
お盆にお墓参りで帰省して
ご先祖様の墓に手を合わせる
母方のご先祖様の墓所には他に
戦没者慰霊碑もあって
その顔も知らない方々にも手を合わせた
戦死された国と処とその方の名が
墓石に一つ一つ刻まれていて
母方の祖父母が一人一人調べたのだと
母から昔、そう聞かされた
小さい頃は意味がよく分からなかった
親類でもない者が手を合わせる意味が
縁者の様にお墓参りする訳が
しかし今では手を合わせないと
そのまま帰る事はできなくなった
身近に感じる人々に対して
例えば君の足もとにも
戦争で死んだ誰かが居た
第二次世界大戦か戦国時代か縄文時代か
そんなこと気にしてられっかよ
今そこは家やビルや公園やトイレになっている
それはつまり数だから
意味なんてあったら気持ち悪いだろ
だから凄惨な殺人はその意味で
一人だろうが十人だろうがその人生で
数々の戦争と違って記憶される
戦争のクソさ資本主義のクソさ数のクソさ
個別具体的な意味でぶっ潰す
生きるとはそういう事で
死ぬというのもそういう事である
一回一回ちゃんと生きるから
一回一回ちゃんと死ぬんだ
8. エヴァの聖地となった処で
戦争とか殺人はいけない
平和を大切に維持しなければいけない
言いたい事は確かにそうなんだが
格好が付かんと歯切れが悪い
さて、音楽と文学の出番だ
説教より説法より説得より強くエグく
生々しく赤裸々に直接描く
戦争に侵される平和をそのまま
生活に犯される人生をありのまま
放り出して置き去りにするは投げやりに
あとは各人ご自由にどうぞ
自分の平和は自身で平穏にせんと
与えられた平和などすぐ平穏に飽きて
誰かと誰か争っちまうだろう
そのくだらなさをバチッと描きたい
「六界記紀」という六界を廻る話を
「平成総体」という天地創造の七日の物語を
音楽活動の傍ら書き上げた時
“気持ち悪い”と罵ったものが居た
拗らせた自意識の、気持ち悪い言葉遊びと
残念ながら今や現実より現実に
模倣はやがて本物と区別が付かなく
いや本物が下手すりゃ模倣の方へ
そう模倣の方が本物となった
そのストーリーにみな生きていたから
昨年3月末に友達と三人で
箱根湯本だ大涌谷だ芦ノ湖だに行ったけど
その土地の歴史などろくに知らなかった
知っていたのは“第3新東京市”があったという事
そしてそれは偽史だのに正史に違いなかった
そのストーリーにみな生きているから
9. 八百萬の神の国で
自分でやってしまったものの
自身のせいと思わないものの
超自我が僕に働きかけたので
あの頃、そこに神は居たので
仏陀やイエスとしてではなく
親や親の親や兄や先生や先達
彼ら彼女ら人間の姿に扮して
適当で意志薄弱な僕に対して
世界に正解があるかの如くに
しろ・しなさい・させなさい
いずれ神様が居なくなっても
また大人達が居なくなっても
貴方一人で独りでにするのよ
自分でやってしまったものを
自身のせいだと思えるものを
しかしながら話は全く違った
事故も事件も戦争も人殺しも
意思と意志と責任と落ち度と
未だに、ここに神が居るので
人間のせいではありませんと
土台、無理な話だったんだな
一方が正義で他方は悪だとか
片方が命令で片方が従うとか
全てをはっきりさせようとか
本当は大体、大方、何となし
どいつもこいつも手前も手前
裁かれないで生きております
だって、悪い事してねえしな
人殺しと戦争は全く違えしな
と悪い事・人殺し・戦争する
あゝ無神論者の神様の祟りや
10. パルマコン
科学・技術はどんどん進歩するのに
人間の方はどうして相も変わらず
戦争や人殺しに憎悪の歴史を繰り返す
それは愛とか助け合いとか良心の裏返し
赤ん坊の泣き声の野蛮さ
創造と破壊とはよく云った
その二つは別々でなし表と裏だから
創造するに破壊をもたらすから
想像する事の破戒でも可
何か生み出す時には何かが壊れるんだ
明日への希望って何なんだ
新たなる世界秩序か何か
つまり古い掟を破る無秩序か
将来有望な赤ん坊の無知だろう
憎悪の歴史を繰り返す愛と助け合いの破廉恥だ
希望・有望は常に失望・絶望を準備している
赤ん坊がどうなるかなんて知らない
科学・技術に敷かれたレールは踏まぬ
本当は繰り返してないし変わっているが
結果、成長しない、変わらないを繰り返す
科学・技術みたく繰り返したらどうだ
繰り返す事の成長過程の新境地が
愚かな繰り返しではないものと
無軌道を軌道に乗せる繰り返しをば
しかし敷かれたレールを断固として踏まぬ
それが快楽つまり楽しいと
そんなんで殺された日には笑えねえな
その不謹慎が愉悦つまり愉しいと
そんなんで宣戦布告された日には声も出ねえな
そら伸るか反るかのスリルだけ
詩には生かしもできねえ殺しもできねえスリルだけ
11. パノプティコン
戦争反対を促すほど平和より先に退屈が
戦争なんか勝手にやってろやという無関心が
“賛成”に似た何か“参戦”を促さない事には
正しさよりも楽しさが勝たない事には
戦争をぶっ潰す事なんてできない
正しさより楽しさが勝てば不謹慎だ
しかし不謹慎な戦争にはこの不謹慎だ
詩を書いては死を描いて読んで4んでは死んで
退屈な不謹慎より悦楽の不謹慎を
当事者でなくとも当事者なんだから生の
いつか怒られるまでやるだろう
怒られる事で相対化されるだろう
怒られる事と怒る事と一体全体何なのかと
先生役・生徒役などもう演ってないのに
看守役・囚人役などもう演るつもりもないのに
いつか必ず怒られるであろう
世界は学校や監獄とたまに似ているから
それでも楽しさを優先するなら
正しさより優勢と見るなら
てか正しさが間違っているとするなら
些細な事と深刻な事の果てしない距離
その直線を円形に結んだ途端
最短距離ないしゼロ距離となる生死
正しさと可笑しさ、正しさと楽しさ、示唆
死んだら洒落にならんから駄洒落みたいな詩
こんなに死や戦争を身近に引き寄せて
詩は死も戦争も一口に飲み込む
こう書いて朗読して生きて循環して
時々ミイラ取りがミイラになる事もある
詩は間違っても死と戦争に呑み込まれるな
この楽しみを生を嬌声を奪われるなよ
12. パラトランスパランシコン
パで始まって、コンで終わる
思想の概念が、もうこれ以上
思い付かず、言葉を作ったよ
同音異字、造語は逃げだから
なるたけ、したくなかったが
“パラトランスパランシコン”
“超・逸脱・反対側”を意味す
接頭語“パラ”を含む透明状態
“見える化”による“見えぬ化”
光強すぎる故に輪郭見えぬか
先の衆院選の自民圧勝に祝辞
今後も支援よろしくどうぞと
ゼレンスキーはコメディアン
アメリカへの支援要請で以前
リメンバーパールハーバーと
元々お笑いやっていたからか
ツッコミ待ちのボケをかます
イスラエルがガザ侵攻しても
ハマスの奇襲を受けたのなら
それ自衛に当たるのだからと
おい、彼の悪口はそこまでだ
ちゃんと筋は通しているだろ
真珠湾攻撃は奇襲なんだから
大日本帝国は日本と違うから
しかし高市政権には絶望だと
先の衆院選の自民圧勝に祝辞
ゼレンスキーはコメディアン
トランプもネタニヤフも芸人
プーチンも習も金もコメディ
SNS時代の我ら、超透明状態
“パラトランスパランシコン”
13. 世界の警察
テレビが壊れた今はNHKを観る事もないが
小学校に入学するかしないかの頃に
「これは良い番組だから」と中学生の兄が
録画した“映像の世紀”という番組を見せてきた
理解は難しかったがその内容は感じられた
スツーカの急降下爆撃の映像
一列に並ばされた市民が射殺される映像
脳裏に焼き付いているのはやはり
興味のあったナチス・ドイツのものばかり
(いま“パリは燃えているか”が脳内で流れている)
しかしグエン・ヴァン・レムが撃たれるシーンは
それを観た夜の事は鮮明に覚えている
実家の父の部屋のベッドで家具調のテレビで
いとこは「うわ」と声を上げた
ベトコンはこめかみから血を噴き出して倒れた
その前年の94年にハセガワから出た1/72の
“グエン・ヴァン・バイ”のミグ17のプラモを
どこか“メリケン憎し”で作った記憶がある
大学の頃にブランキーの“MOTHER”を聴いた時も
ベンジーが曲を書いた時の気持ちが分かる様な気がした
自由と平等の国・アメリカ
わざわざ宣うは不自由で不平等が故
奴隷制と人種隔離の歴史が故
その自己矛盾は何ら自己矛盾ではなく
その病の為に自由・平等を渇望するだけの話
こんな話にこんな詩にこんなに言葉を費やし
それは現実を詳細に語りたいからでなし
言葉が現実ほど豊かでないから
言葉が現実くらい複雑ではないから
だからみな現実にしてしまうんだ
手っ取り早く現実に戦争で済ませるんだ
14. 世界の都市
曲を聴きに行く、ないし聴かせる時に
本を読み漁る、ないし読ませる際に
老・若・男・女は問わない/問われない
無差別に、無慈悲に、皆奴隷制度で
自由に、平等に、皆主人社会で
今や奴隷を見かけなくなった
かつての奴隷制における様な奴隷を
しかしみな奴隷となった
便利で快適な衣食住を維持する為
しかもみな奴隷が奴隷に頼った
奴隷の中の奴隷は億万長者となった
複雑で怪奇な承認欲求を満たす為
億万長者の中の億万長者も奴隷となった
地球だ宇宙だ社会貢献に貢献する為
今や主人は奴隷の主人を飼った
世界には未だリアルな奴隷制もあるだろうが
音楽とか文学とか楽しむ時間においてのみ
無差別に無慈悲に自由に平等に
老若男女も関係なしに
個々人が個人の奴隷となる
主人と奴隷は形を変える
大したもんぢゃないか世界中
味気ない?素っ気ない?寂しくない?
主人と奴隷を独りでにやるなら
世界の都市では一人が一人でやるのだ
音楽とか文学は現実逃避であり
主人と奴隷とか政治と戦争こそが現実だ
それはその通りであり
音楽とか文学は冗談の悪ふざけであり
冗談の悪ふざけが現実だ
現実逃避を含めて初めて現実だ
15. 世界の政治
政治の季節は巡る、否、常に
政治のシーズンだのにゴメン
非政治的人間でごめんなさい
非政治的なる過程・仮定とは
超政治的な結果・結論だから
政治は人間全般に関わる事ぞ
非政治的人間など有り得ぬぞ
しかし、有り得てしまうのは
政治の裏側や本質を暴いても
人間は日常生活を送り続ける
音楽や文学が暴れまくっても
芸術や哲学が暴きまくっても
森羅が万象を営み続ける様に
政治・経済は物理・科学同様
現代・社会に必須・科目だろ
信仰・信条に宗教・習慣同様
音楽・文学が人間・社会だろ
貴方が誰かと恋に落ちる様に
てか君が誰かと恋する限りは
非政治的人間は有り得るのだ
それで争い事も無くなればネ
しかし非政治的とは超政治的
恋に落ちれば爆弾も落ちるワ
戦争と同じ位には恋愛は続く
恋愛みたく戦争も続いている
警察も都市も政治も“ポリス”
語源は一緒なのに概念は別に
恋愛とか戦争ももしかして?
政治も経済も物理も科学も!
現代の社会にまつわる全ては
本質的に言えば詩になるから
16. 国土回復運動Ⅰ
“支配欲”、“感情のコントロール不能”、“外面が良い”、“責任転嫁”
ただDV野郎の特徴を列挙しただけだけど?
トランプ、ネタニヤフ、プーチン、習、金ぢゃないよ!
しかし、いやあ全く、君の為人みたいだね?
「DV野郎ぢゃないの本当は優しいの」って言いたくなっちゃうね!
「ウクライナ戦争を数週間で終わらせる」とか
ドナルド君がそう宣ったのを覚えている人は居ますか?
一昨年の大統領選から去年の大統領就任まで
いやそれ以降さらなる舌先三寸でもう一寸もないよ
終わらせるどころか始めまくる人殺し遊び
だってこれはそういうゲーム
“国土回復運動”という名のRPG
どれだけのダンジョンをクエストできるかな?
てかウクライナもパレスチナも台湾も元々僕のものだよ?
ウラジーミル君の、ベンヤミン君の、近平君の!
さて、ドナルド君はゲームに夢中だ
無我夢中で“MAGA編”の全クリを目指している
「勉強しなさい」「働きなさい」は彼に禁句だ
コントローラーを手放さず“金”と“メシ”だけ要求してくる
金とメシをよこせと“関税”に“戦争”で脅してくる
どうやらゲームの世界が彼にとっての現実なので
現実の世界の方がもうどうでも良いったらありゃしない
はいワンキル、はいクエスト、ほいワンキル、コンクエスト
「おい早くメシ持ってこい!ぶっ殺すぞ」
彼が引きこもるは真白な家
ザ・ホワイト・ハーウス!
公式ツイッターではゲームの映像と見紛うよな
敵が標的が人間が、ミサイルを撃ち込まれ、大爆発する映像が
リプ欄では英語で皆が何か反応している
AIの自動翻訳で一番上のコメントが勝手に日本語表示された
“これが本当に公式アカウントなの……か?”
17. 国土回復運動Ⅱ
この“国土回復運動”って世界的ヒット作もう飽きたわ
てか8世紀に出た一作目はまだしも今回のリメイク作は超クソゲー
ドナルド君、ウラジーミル君、ベンヤミン君、近平君らは
新機能のオンライン対戦でまだまだ盛り上がってるみたいだが
日本にはもっと面白えソフトが一杯あるからなあ
だから俺は“ノらねえ”っつったろ
しかしそれぢゃあ格好が付かねえってんだろ
そりゃそうだ殺しのゲームで何も殺れないなら
だけどもうそのゲームやめたんだわ
とっくのとうに俺らいちぬけぴしたんだわ
“意思表示が苦手”、“出る杭は打たれる”、“変化を嫌う”だって?
意思表示をし過ぎて、杭を出し過ぎて、変化をし過ぎたからや!
八百萬の神や地震大国や中空構造や中性的や男色文化だろが
同質性から多様性に行くのが世界の流行りなら
多様性から同質性に来るのが日本の流行りだろうよ
なら尚更リメイク版の“国土回復運動”やりなよって?
皆をお前のお前に似た同質性の原理で分からせなよって?
分かってねえなあ、多様性が好きなんだよ!
ただ昨日今日の多様性などに興味が無いだけで!
つうか「多様性を認めろ!」っつう多様性の同質性は一体何なん?
「日本人は消極的だ」なんて貴様、正気か?
積極的が積極的過ぎて、し過ぎて一周して、そう見えるんか?
分かり合えない処から始まるのは同意だが
分かり合える処で終わるっつうのには一つも同意できん
この様に分かり合えぬし、終わらぬから
そうこうする内またドナルド君の新着ニュースが
「日本は助けてくれなかった」と……
ぶふっメンヘラかよ、あゝそうだDV野郎だった
ホルムズ海峡に船よこさなくてゴメンね
だからこのゲームやってる奴もう居ねえって
戦争とか人殺しとかオワコンなんだって
18. 国土回復運動Ⅲ
イスラエルは戦争をしません
攻撃ではなく、自衛なのです
ここはユダヤの約束の地です
もはや神など存在しませんが
神は我々に国家を与えました
中国は中華人民共和国であり
中華民国という国はないです
中国から離反した一つの省で
歴史的には常に一つの中国で
故に承認国も限られています
ロシアがウクライナを中立化
非軍事化、非ナチス化します
そしてNATO加盟も禁じます
ウクライナ・ナショナリズム
それは親米ネオナチ勢力です
米国がイラクを民主化します
大量破壊兵器も取り上げます
イランの最高指導者も我々が
ハメネイ師の後継ぎ選びます
反米路線の後継者はダメです
人を人ん家から追い出したり
その家の仕来りに口出しする
人には人の家には家の仕来り
国には国の仕方があるけれど
“国土回復運動”の名のもとに
着るもの食べるもの住む処が
家が家の決まりが家族構成が
アメリカともイスラエルとも
ロシアとも中国とも違うけど
“国土回復運動”の名のもとに
二つ走らすOSのバグだろう
19. OS/SOS/OS
ガキっぽいワガママ
餓鬼は我が儘ということ
暴力は有りの儘ということ
核にあるもの
中心にあって欲しいもの
自分が自身だと思えるもの
今も変わらない
が変わらなければいけない
変わらないものに変えられて
変えられてたまるかよ
と変わらなければいけない
ガキは大人にならなければと
大人になって餓鬼退治と
我が儘と対峙しなければと
退治と対峙して復讐を復習せねばと
ガキっぽいワガママ
餓鬼は我が儘ということ
暴力は有りの儘ということ
オーバードライヴ
ディストーションとか
増幅された逸脱された過剰な男
核にあるもの
中心にあって欲しいもの
自分が自身だと思えるもの
クリーントーンとか
カッコつけないカッコつけ
嘘偽りない増幅されない素朴な音
今も変わらない
が変わらなければいけない
変わらないものに変えられて
ニーチェだけはいけない
カントとヘーゲルも読まないと
ディオニュソス的なものはいけない
変えられてたまるかよ
と変わらなければいけない
ガキは大人にならなければと
私が僕と言える幼児
我々が俺達と云える幼稚
それに生かされてそれに殺されて
大人になって餓鬼退治と
我が儘と対峙しなければと
退治と対峙して復讐を復習せねばと
生かされては逝かされて
異化作用が美化されて同化されて
どうかしているから教育で今日逝く
二つ走らすOSのバグ──「フィードバックを送信する」
20. (a)黒テスクだから
以前、詩に書いた通り
私は“黒椿”だった訳だけども──
ぐっちゃぐちゃのびっちゃびちゃ
破茶滅茶で滅茶苦茶の破茶苦茶
エロ・グロ・ナンセンスの厚化粧
赤青黄の重ね塗り屋のレイヤー
対するは赤緑青を隠し持った奴等
三色を重ねては光当ててくる輩
エロ・グロ・ナンセンスで重武装
重装甲化された私フルアーマー
後生大事な真白な箇所を塗り潰せ
論破論破で引き剥がそうとすな
エロ・グロ・ナンセンスの漆塗り
色ミクスチャー黒テクスチャー
21. (b)ザ日本人だから
以前、詩に書いた通り
私は“金星人”だった訳だけども──
ハーフですか?
外国の血、入ってます?
鼻、高いですね?
ちんちんも大きいですか?
普通だよ
人並み・世間並みだ
祖父母ばかりか曾祖父母だって
The 日本人だから
お手次のお寺に確かめてみて
江戸から何百年か続いている家だって
ただ異国の文化とか外国の血を
何滴か今、入れられたって
The 日本人のまま
日本的がどういう事かって事だよ
純日本人の歴史や血統を追ってみて
何だ昔から異国情緒ある
ミクスチャーぢゃん
何なら世界の何処より
内面化しちゃっているから
そんな反応が出る
何をどうやったって
世界基準みたく迷わないで
日本基準だから
井の中の蛙
飛び込む水の音は古池
行け!
それ以上でもそれ以下でもない
懐の深さ・器の大きさはこれ
比較したけりゃご勝手に
The 日本人だから
22. (a)まだ人の方が良いや
君が合理的ならば
数を數えて居なさいよ
數える数に興味があるなら
興味がないから人間
僕は真っ平御免だ
数など猫みたいなもの
構ってやっても仕様がない
仕方がないから人類
數えられる数とは
事実、現実、真実だと
人でなし猫に成りたいから
まだ犬の方が良いや
數えられぬ数とは
冗談、物語、幻想だと
これが死ぬ程面白いのにな
まだ人の方が良いや
23. (b)まだ物自体で良いや
友達や恋人は君に見せたい顔しか見せない
有りの儘は有りの侭ぢゃない
私は友や彼女を見たい風にしか見ていない
君と私の思い通りぢゃないと
──否定している
現実知らんけど真実はそうだろうと思うよ
有りの儘は有りの侭ぢゃない
現実よりも狭くて広い真実はこうだろうよ
私と君の思い通りぢゃないと
──肯定している
“物自体”って……それ自体がよ
これ自体カントに一体全体だな
何の権利・権限があるというんや
24. (a)毒にも薬にもならない話
神だとか迷信を
科学技術で暴いてやるぞ
ぢゃなくて!
神だとか迷信で
ただ語り過ぎただけの話
神だとか迷信を
俺は信じない科学ほどに
神だとか迷信と
近代の科学の二項対立に
神だとか科学に
俺は乗らないパルマコン
神だとか科学を
音楽・文学で暴いてやる
ぢゃなくて?
25. (b)毒にも薬にもなるから詩
感動のあまり言葉にならない
私だけの言葉で言語化したい
いいや現実そんなんぢゃない
まず感動の為の体験が足りん
言葉が足りないのではなくて
言語化する為の体験が足りん
感動的な体験を経験をよこせ
そしたら勝手に言語化なんて
言葉なんて有り触れてるんだ
有り余り過ぎて言語化できん
体験や経験の質・量に比べて
言葉の質量だけ増やしてもな
余計に焦るだけだぜ、ボーイ
ガール、ミーツ俺、体験、詩
26. (a)僕の芸術的成功
早く次の文章とヤりまくって
僕は僕を身籠りたい
さらっと旋律にヤられちゃって
君の君にイかされたい
僕の日常的性交
27. (b)僕の日常的性交
男は自分の棒の平穏のために毎日ふたりいやなやつとせよ
イク、イク、イカヌガイク、イク、イカヌガイク、イク、イ
(拙著「日と六ペニス」より抜粋)
28. (a)名言できたよ
私に我らの全てはあるが
私は我らの全てではない
我らの全てと思い上がる
思い上がってしまった神
混同しやすいから神と人
もう一度確認しておくよ
私に我らの全てはあるが
私は我らの全てではない
そんな前提すら忘れちまっていると馬
29. (b)明言できたよ
そりゃ歴史的に見れば
我ら動物と違って人間だから
言葉を話すものに違いないが
その歴史すら否定するもので
一切、話さなかったり
合切を話そうと試みる訳です
人間でありながら人間でなし
人間以上に人間であろうとす
矛盾がデフォルトかつ
デフォルトが矛盾であるから
両義性があり両性具有的なる
境と間に位置す人間の本質す
矛盾が矛盾でないなら
喧嘩や争いが起きて当然です
同時に、止められて当然です
戦争や諍いを止められて当然
こんな当然すら分からなくなったと鹿
30. (a)F.F.F.C
よぉいスタート
走れ走れ走れ走れ
嗚呼もたついた
躓いた
喉が渇いた
周りの皆は?
誰も居ないの?
今どこら辺なんだろ?
やべ急がなきゃ!
やっぱゆっくりで良いや!
やっと自分のペース掴めてきた!
こんな景色だったんだ
あんま意識してなかったから
意外と色んなものがあるね
様々なことを見落としてきたね
あれ、もしかして
皆、待ってくれている
走れ走れ走れ走れ
やったぁゴール
が、スタートゴールスタートゴールスタートゴール現代
31. (b)S.S.W.C
詩、文学、言語表現
言い当てる芸術
それはそうなんだが
最短距離を競うものではない
むしろ最長の距離を描く
言い得て妙な技術
それが何を思ったか
最短距離で見抜いてやるとか
一矢報いて的を得てやるとか
その内に言葉は信頼を失ったのだ
そうだろう、言語より早い
速い音とか図とか画が
ショートにいいねの承認が欲求で
そもそも早いとか速いなんて
言葉は何も強調していなかったに
むしろ遅い方が絶頂に
全身全霊に圧倒的なエクスタシー
32. (a)法律の法律は芸術
軍備の増強いや核を持てよと
護るべし九条いや新・九条と
右派も左派も馬も鹿も見境無
しっちゃかめっちゃか言語無
お気持にはお気持の表明返し
どちらも貫いて通ずる言語有
それが文学であり詩であると
これに対する異論反論として
芸術とかで誤魔化すのかよと
誤魔化さぬ人間は云うだろう
お得意の対話を求めるだろう
知性なき対立つまり衝突をと
ぶつからないで話をするには
論破をしない議論をするには
芸術とか文学とか詩が必要だ
誰も彼も単純な訳が無いんだ
右派も左派も馬も鹿も見境有
紆余曲折を紆余曲折のままに
核を持つのか九条を護るのか
人の選択がそれしかない訳無
憲法は法律の法律と云われる
人間の最高の掟がこんな訳無
憲法とは芸術だと思っている
故に法律の芸術と言ってやる
きっと法律で捕まって捉えられた感じを抱いてみて初めて芸術ということが分かるさ
33. (b)芸術は芸術で法律
言葉遊びはやめろって?
言葉遊びはやめられん!
詩と文学はそれを知っている
言葉を使う以上、扱う訳だし
遊ばずには居られないということ
お前だってお前だってお前だって
この言葉遊びは
その言葉遊びに
対抗したり拒絶したりして
共鳴したり賛同したりする
言葉遊びを始めたのはどちら?
改憲だ護憲だ軍拡だ九条だと!
きっと芸術に抱かれて感じて捉えられて捕まって初めて法律というものが分かるのさ
34. (a)アナーキー・イン・ザ・私刑
何が法律は芸術だ
法律とか政治には人の生命が
人生が懸かってるんだよ
遊びでやられてたまるかよ
お前が遊びで滅茶苦茶になっても
不当逮捕で死刑になっても
全く構いやしないが
中途半端な知識で口出しすんな
生半可な覚悟で口を挟むんぢゃねえ
こちとら国民生活の全て背負ってるんだよ
こちとら無期刑なんだよ
不当逮捕の死刑でなし
誤認逮捕の私刑だよ
ただ真面目の行き止まりで
真剣のがんじがらめになって
真面目で真剣なフリして
快楽はおろか目的すら見失って
目的が目的を探すになってしまって
そんな法律とか政治は死んでんだろうが
元来の不謹慎な芸術だ遊びだを思い出せよ
てか、芸術や遊びを不真面目でふざけたものと勘違いしてないか?覚悟あっから!
35. (b)アナーキー・イン・ザ・文系
上から下へ、下から上へと
これしかないと思っているから
君と話が全く噛み合わない
右から左へ、左から右へと
横方向だけで何が出来るでなし
こう上下左右が常にあると
だから法律も政治も遊びで
芸術や文学や詩と同じ振り幅で
そう上下左右にやり合うと
法律や政治が抑え付けると
今度、抑え付けられた方向から
抜けつつ脱げつつもあると
言葉や文章で上下関係をコントロールできると勘違いしてないか?左右あっから!
36. (a)MUM
そんなのたかが言葉だろ
言葉に左右されんな
お前の本当とか現実だろ
ただお前がやれ
やった通りになるだけだろ
それこそが本当とか現実だろ
だから君は生に懸ける
そうして性を駆ける
父性みたいに
指示を出す
こんなのたかが言葉だよ
上下に左右されんだ
人間の本当とか現実とか
ただ言葉なのだ
やった通りになるだけだと
規定するもしないも言葉だよ
だから私は詩に賭ける
こうして死に掛ける
母性みたいに
産み落とす
37. (b)UMU
全人類を統べるのは神様ですか
真理を掴み取るのは哲学ですか
高尚なものだとは思いますが
最たるものとは思えませんね
音楽でしょう文学でしょう
そこに付随して顕になるが
神様だとか哲学でしょう
一番大切ではないですよ
だから私は詩に賭ける
毎度毎度、死に掛ける
それでも生きてみる
これでも生きている
難易度上げてみる
よりハードモード
快楽増している
超エロスモード
一文字一文字
奪われながら
産み出そう
神様や哲学
一人一人
去り行く
だから
出産す
音楽
文学
う
む
~~~~~~
夢の中で曲を作った(「メフィストフェレスの赫い嘘」)だとか、夢の中で詩を書いた(「金星人」)だとか、ここ最近そんな事ばかり抜かしておりましたが、今回はちゃんと起きて書いて作りました。意識的に、そう意識を全集中して、いま持てる力を総動員して。37歳の私が、そう令和八年の俺が、いま令和に落ちてきた男が。
早い話が、プロンプトを一発与えれば、AIが瞬時に絵や写真や動画や曲や文章など作る様な、こんな便利な、利便性の極致をいま我々は生きて居るのに、全く手間の掛かる、幼稚で暴力的な争い、戦争は一向に無くならないし、私の方は私で、かなり効率の悪い人力(じんりき)で、自力で原稿用紙66枚/13,114字/1,237行もの詩作を行なった、ということ?
否、戦争も効率的で巧妙な、高度に狡猾(こうかつ)な手を使う様になった、大の大人が幼稚にも暴力的に争い、戦争はより一層無くならなくなった、プロンプトを一発与えれば、AIが瞬時にやる様に(実際に敵の高官を暗殺するのに、建物にピンポイントでミサイルを撃ち込むのに、その作戦立案:プランAとかプランBとかプランCに、AI技術が使われているとな)。私の方は私で、愛だI(アイ)だと瞬時にやれない様に──令和に落ちてきた男──この詩を手作業で半年程かけて書いた。別に6ヵ月が長いとか短いとかでなし、ただ“瞬時に”ではないということ。瞬時にやらなきゃ馬鹿な世界で、世界が馬鹿だから瞬時にゃやらんと。いつか便利なAIを使う時があるとするなら、我々が面倒な愛だIだに目覚めた時だ。やはり時代なんかと寝るもんぢゃない、ということ!
殺しはいけない、言う迄もなく。戦争はいけない、当たり前だ。己が詩で伝えたかった事は、言う迄もなく当たり前の事だったか。そうかもしれん、ただもう一つ。自惚れや自己愛に加担しないということ、茶番に巻き込まれない様にするということ。戦争反対という自惚れは、時に殺しを加速させる自己愛となる。炎上系インフルエンサーが持て囃(はや)されるのと一緒で、ただ違うのは人が実際に死んでいるということ。だから今すぐ皆で助けなければ/我々で止めなければ、という気持ちが当事者を更に激昂(げっこう)/興奮させる。ロシア・ウクライナ戦争と、イスラエル・パレスチナ戦争と、この生活とに何の関係がある?あるだろうが、人が実際に死んでいるんだぞ、お前の無関心は加害と変わらんぞ!と何にでも顔を突っ込むのは、欧州の問題に/中東の問題に/極東の問題に顔を突っ込むトランプよりかはマシなのか、それは更に彼等の茶番を/芝居を/演劇を盛り上げようとしてはいないか。注目を引こうと滅茶苦茶に当たり散らす子供には、声を荒げるよりかは静かに無関心に接するよ、それが滅茶苦茶の泥沼から抜け出す最短距離だと思うから(と、注目を引こうと滅茶苦茶に当たり散らかした元子供は語る)。人が実際に死んでいるのに、いや人が実際に死んでいるからこそ、本当にくだらないと思うね。己が詩で伝えたかった事は、言う迄もなく当たり前の事だったか。馬鹿げた話だ、やっぱり時代なんかと寝るもんぢゃなかった。こんな詩はもう懲り懲りだ。
例えばダンテの「神曲(1321)」なんて、(生を捧げて)読むものであって、(命を削って)書くものではない。僕はやっぱり大層な叙事詩(じょじし)よりも、小ぢんまりとした抒情詩(じょじょうし)を書きとう思います。この文章だって随分長くなりましたから、そろそろ終わりにしましょうね──デヴィッド・ボウイの“グラム前〜グラム期〜グラム後”を俺なりに演った挙げ句が、“黒椿〜金星人〜令和に落ちてきた男”ってな訳で、これにて完結、この三部作、その最終回、三十七編の詩、37歳の詩、詩、死……そういえば詩人・宮沢賢治は37歳で逝っちまったらしいが、俺はこの先あと何年生きていかなきゃならねえのか。
詩人は苦痛をも享楽(きょうらく)する
永久の未完成これ完成である
-宮沢賢治
この金言(きんげん)の後には“理解を了(しま)へばわれらは斯(かか)る論をも棄(す)つる”、“畢竟(ひっきょう)ここには宮沢賢治一九二六年のその考(かんがえ)があるのみである”とこう続く。ちょうど百年前に農学校の教師を辞めた賢治が(私塾の設立に際して)著した「農民芸術概論綱要(1926)」の結論部に当たる言葉である。みな青空文庫でタダで読める(しかも短いのでサクッと読める)。
以上、37歳の私が、令和八年の俺が、令和に落ちてきた男が、いま持てる力を総動員して書いた詩が、そう、畢竟ここには憲宏二〇二六年のその考があるのみである──一生懸命に、死に物狂いで、大切に丁寧に慎重に書き上げたものではあるが、来年にはもう棄て去ってやろうと思う。理解を了へばわれらは斯る論をも棄つる、だ。もっと凄えアイデアがごまんとある。音楽と文学で溢れ返っている。少なくとも40くらい迄は死ねない。三年先まで予定で一杯。一年ぢゃ足りねえ。一日が短い。毎日30時間は欲しい。しかし、だからこそ、みな楽しみにしていて欲しい。いや、みな楽しみにしている。








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