十二支詩・寅より
男の私が油なら
女の方は水なのか
であるから馬鹿には出来ぬと
水無しで生きてはゆけぬと
油なんて無くてもね
有った処で有り余ってね
私は全く持て余し
身体に悪いとぶく/\肥(こ)える
彼は全く健康的
彼と彼の姉を見て思ふ
彼の情念は流るるやうに
私の不健康を嘲笑(あざわら)ふ
いゝだらう、いゝだらう
私の不健康はいゝだらう
声高らかに笑ひ飛ばし
実は隠れて飲んで升(ます)、水
彼の姉だってみる/\内に
どろ/\するは弟より、油
君と私で交(まじ)はらぬ
はっきり水と油なら
これが不思議とセックス・ファック
どんより水と油から
ばち/\跳ねるを見た事あるか?
飛び込む水と油やら
あんた油気取りで
良い気なもんさね、と女
水に油が浮いてるね
私も油を売ってやる、と男
誰があんたのものなんか
水が飲みたいのよ、み・ず・が
男の私が油なら
女の方は水なのか
であるから馬鹿には出来ぬと
水無しで生きてはゆけぬと
油なんて無くてもね
有った処で有り余ってね
十二支詩・辰に続く
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