2024年11月13日水曜日

そのグラムなるもの –人間椅子小論–


池袋のジュンク堂はたまに行く、とても好きな処。ジュンク堂って何か、通路とか本棚とか書架サインのデザインとか、店の全体の作りがどこか図書館っぽくて(公式ホームページによれば、池袋本店をして“図書館よりも図書館らしい”店づくりを標榜している様だ……そうだ“立ち読み”ならぬ“座り読み”コーナーだってあるもんね!)、丸善や紀伊國屋やブックファーストほど人混みでごちゃごちゃ・せかせかしてなくて、店内の有線では静かにクラシックが流れていて、すげえ落ち着くんだよね。俺は立川店が一番好きなんだけど、新宿とか吉祥寺よりか少し距離があるのでね、数ヶ月にいっぺんの楽しみとしております(立川に行ったら、ブックオフ→オリオン書房→ジュンク堂のルートが我が定番……これだけで5、6時間は楽しく過ごせる)。



 いや、本屋談義したいんぢゃなくて、池袋のジュンク堂でワジーの選書フェア(人間椅子のワジー自選詩集の発売を記念したイベント)がやっていたので、行ってきたんですよ。平日の陽(ひ)が傾きかけた微妙な時間に行ってきたので、客が俺しか居(お)らんくてね、数時間ゆっくりのんびりと見させてもらいました。おかげさまで、またワジーのルーツを知る事が出来たし(以前、ワジーの自伝本についてもちょこっと書いたっけ)、今や日本より海外の方から注目されている人間椅子という業の深いバンドについて、(その楽曲だとか成り立ちだとか)彼等を見る時の解像度がまたグンと上がりましたワ。



 人間椅子はやはりHR/HM、つまりハードロックかつヘヴィメタルのバンドに違いないが、その随所に東北へと伝わる土着の民謡、太宰を産んだ青森のあの冷たくも熱い残酷な歌謡の血が流れており、或いは以前よりずっと個人的に引っ掛かっていたのが、彼らの耽美的趣味、そのグラムの匂いであった。ん?外道の“香り”であった(♪ゲェ、ゲッゲゲゲ、ゲゲゲゲゲゲゲ、ゲッ、ゲッ、ゲッ、ゲッ、外道ゥ)。



 人間椅子はグラムバンドでない、そんなん誰よりも俺が分かっとる、が時おり顔出すあの耽美・頽廃主義は何ぞ、と思っていたらば江戸川乱歩だった……そうだ、人間椅子なんだから。何を今さら、それきしのこと、灯台下暗し、無知蒙昧、勉強せい、と云うなかれ。




 さらに混乱さす事を言うが、まあ俺の話を聞いてくれ──BUCK-TICKもちょっと乱歩というか、ゴシックホラーでちょいとグラムなんやね(逆説的に、乱歩にはどこかBUCK-TICK的な世界観があるだろう、“悪の華”的な、ボードレール的な、てか江戸川乱歩はエドガー・アラン・ポーか、“黒猫”か、人間椅子にもそんな曲があったな、と今書きながら気付いた)。だからバンドの方の人間椅子の世界観にも通ずる、という話。初期の“神経症 I LOVE YOU”とかめちゃ好きなナンバーなんだが、というのもハードロック系のグラムロックバンドが演っていても、全然違和感ないやんアレ。結局、グラム歌謡メタル野郎なんよ、俺も乱歩も、ポーもボードレールも、BUCK-TICKも人間椅子も(あと筋肉少女帯も……高円寺心中!!)。




 嗚呼、アリス・クーパーもKISSも聖飢魔IIもX JAPANもマリリン・マンソンも、全部繋がってきた──それ即ちグラム歌謡メタル野郎です。江戸川乱歩が小説「黒蜥蜴」を書き、三島由紀夫が舞台の為にそれ戯曲化し、美輪明宏と一緒に演者として映画に出た──これ則ちグラム歌謡メタル野郎です。



 サイン入り詩集を一冊、買いましたよ(これから読むべや)。あたくし気になる人の選書フェアがあるたび、そのリーフレットを沢山持ち帰ってくるので、もし欲しいワジーフアンが居たら、あげます……命売ります(♪バラババンバ、バラババンバ、バラババンバ)




0 件のコメント:

コメントを投稿