私の肉体は魂のなかに消え去って、私は重さを失い、足は地にふれず、まさに宙を飛ぶ心地でした。
-フェリックス・ド・ヴァンドネス
ザ・ドレスコーズに逢いに神戸まで──。
その前にMBBMというバンドを演っているからには、関西のビッグマックも調査せねば。
会場の「神戸クラブ月世界」最寄りの三ノ宮駅前のマックへ(関西では“マクド”か)。赤じゃなくて銀色の看板だ、早速グラムだ……
「ウマい!やるな!関西のビッグマック」とMBBMのメンバーに写真を送ったら、何時も冷静なギターのしんさんから「バンズがこっちより分厚い!!」とのご指摘。確かにそう見える。ビッグマック・アナリスト、MBBM恐るべし──“ミスター・バーニング・ビッグ・マック”の名は伊達じゃない!M・B・B・M!!
そして、会場の「神戸クラブ月世界」着。入口の文字を見る迄「つきせかい、つきせかい」と言っていた俺、赤面。「げっせかい」なんだね☾
開場前、整列して並んでいると突然、通り雨がザーッ!!(マヂかよ……)とカバンで頭を覆っていたら、後ろにいたお姉さんが「大丈夫ですか?」と一緒の傘に入れてくれた。そんな惚れてまうやろ──と声には出さなかったが、「すみません、ありがとうございます」と出来る限り平静を装い、心よりお礼を申し上げました。お姉さんは広島から来られたとのこと(本当にご親切にしてくださり、どうもありがとうございました)。そのまま、とても幸せな優しい気持ちで入場。
ゴージャス(♪ラメ入りのぉ紅茶飲んでぇいえい)!!なんでも此処は1960年代から続く老舗のクラブだそうです。場内は百数十名のフアンの皆様でいっぱいに。
第1部はトークショーで、第2部は弾き語りであった──。
前半、トークショーのゲストとして、キングブラザーズのゾニーさんと50回転ズのドリーさんが登壇。ドリーさんの「志磨くんはバンドで色んな音楽をやってきたけど、やっぱりグラムの志磨遼平なんだよ」という言葉にしきりと納得してしまった。普通にとても良いことをおっしゃる。
ザ50回転ズは高校の友達の影響でカラオケでよく歌ったり、一緒にライヴも行ったり、勿論大好きなバンドであるが、その中でもベースのドリーさんは、T.Rexやニューヨークドールズ好きを公言していて、信頼できるグラム男なのである。
そんな本日のトーク内容は、会場の“月世界”に因んで「SFの歴史について」。内容は次号(9月1日号かな?)のドレスコーズマガジンに記載されると思う(ドリーさんの云っていたボウイのご子息が監督した映画も観なくちゃ)──。
打って変わって後半の弾き語りでは、1曲目からボウイ様の「Moonage Daydream」。どひゃあ、この曲の弾き語りをドレスコーズで聴けるとは!!さらに2曲目は、ロッキーホラーショーから「Science Fiction/Double Feature」!!ぎゃあ、この曲の弾き語りをドレスコーズで聴けるとは!!
何だか不真面目な文章で申し訳ないが、この感動はもう俺だけが分かっていれば良い。誰の共感もいらない。心の中にしまっておくべきものだから、もうこの記事ではさらっと軽薄に書いてしまう。だって、この2曲を志磨さんが弾き語ってくれたという事実を俺のグラムに懸けてきた想いものせて吐露したら、それこそ誰もついて来られなくなる気がするから。全身鳥肌立って心で泣いた。だって俺だけの大切な曲だもの、この2曲。グラムロック、俺だけ分かっていれば良いんだ。俺だけの現実逃避、独りよがり。それにしても志磨さんのアコギのスライドとブラッシング、カッコ良かった。ギターうま!!
その他、毛皮のマリーズの「Maybe」や「星の王子さま」、70年代末に“ロック御三家”と呼ばれた内の一人、原田真二のカバーまでやってくれて、大満足でした(ローリーさんも先日のアルバム、昨日のライブで原田真二の別曲をカバーしていたからな、原田真二のアルバムも買わなきゃだ)──。
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帰りに大阪は“ミナミ”の道頓堀まで──。
道頓堀と云えば有名な“グリコサイン”──。
上と下の写真撮っている間に点灯した、グリコメン──。それにしても凄い人混みだ(ミナミに対して“キタ”の方は街中のビルの電気も消えて、閑静な雰囲気であった)。
最後は適当にハイボールと串カツを食べて独り、高円寺まで帰るのであった……あい、御馳走様。
有難う、関西のグラムの神様。ホント楽しかった!今度は日帰りでなし、ゆっくり巡りたいね。憂歌団かウルフルズでも聴き乍ら──!!(おわり)