何故ってパンクロックのルーツを辿れば、そのちょい前のパブロックに60年代のガレージロック、50年代のロックンロールなどに突き当たりますが、もう一つパンクロックに多大なる影響を与えたもの──それこそ我らが“グラムロック”なのであります!!!ガハハハハ
嘘か真(まこと)か、セックス・ピストルズのボーカル“ジョニー・ロットン”はピストルズのボーカルオーディションでアリス・クーパーの「エイティーン」を歌ったとか、ギターの“スティーヴ・ジョーンズ”はデヴィッド・ボウイの大ファンでジギースターダスト・ツアーの舞台裏に忍び込んでボウイたちが使う楽器を盗んだとか、実際に16歳の“シド・ヴィシャス”少年がボウイの髪型でボウイのシャツ着て嬉しそうに73年のボウイのライヴに参戦している写真もあるし(これを“萌え”と云わずして何と言うか)、そもそも“ピストルズ”唯一のオリジナルアルバム「勝手にしやがれ!!」をプロデュースしたのはロキシー・ミュージックやミカ・バンドも手掛けたクリス・トーマスだし(ギラギラとしたハードロッキンな分厚いギターの音マジ最高☆)、ピストルズというバンドをでっち上げた“マルコム・マクラーレン”はそれ以前に後期ニューヨーク・ドールズのマネージャーだったし、大体からして“ニューヨーク・ドールズ”というバンドの存在そのものがグラムとパンクの近親性を物語っているし、その他にもクラッシュのギター“ミック・ジョーンズ”は当初グラムバンドを組んでいてドールズやモット・ザ・フープルの追っかけもやっていたとか、てか“クラッシュ”の2ndのラストに「すべての若きパンクスども (All the Young Punks)」っつーあからさまなモット&ボウイ「すべての若き野郎ども (All the Young Dudes)」へのアンサーソングもあるし、“ダムド”はマーク・ボランのお気に入りでT.レックスの最後のツアーに起用されて一緒に各地を回ったとか……他にもエピソードは幾らでもあるんだけど、グラムとパンクは親類、というより兄弟、同じ遺伝子を持った優しい兄ちゃんとやんちゃな弟です。
音楽的に云えば基本スリーコードでポップだし、一曲がラジオで流せる(2~3分)位の長さだし、そんな感じでレコード会社はアルバム以上にシングル盤を売りにしていたし、両者とも“古き良きロックンロールのリバイバル”をやろうとしていたのです(これは大学の卒論でもめちゃくちゃ長々と書いたぞ!しかし就活で何の役にも立たなかったぞ!しかし就活は何の役にも立たなかったぞ!人生に於いて一度もな!)。ファッションにしてもグラムとかパンクって“ロックンロールショー”な出で立ちで、とにかく派手で華があるのよね!!
詰まるところベトナム戦争が泥沼・膠着化していた60年代末のアメリカに於いて、ヒゲ面ジーンズのヒッピー達は自然回帰志向や“ラヴ&ピース”を表明していた訳だけど、それに対するアンチテーゼが70年代初頭のグラムロックに於ける人工的なプラスチック感とかSF要素で、「愛と平和?現実はクソなまんまじゃねえか!」っていう若者の苛立ちや不満を代弁し、過激なライヴ活動を推し進めていったのがイギー・ポップ(彼も時にグラムであり永遠のパンクアイコン)で、67年のビートルズのアルバム「サージェント・ペパー~」以降のロックのアート化、後のプログレやハードロックの技巧的大作志向、アルバム至上主義に対して、グラムはシングル盤の復権、50年代のロックンロールのリバイバル、“ロックを10代の若者達に返せ!”っていうのを2~3分の単純なスリーコードでやった訳──それを更に過激化させたのが“70年代末のパンク”ということです。
因みにこの楽曲を選んだのは“シャム69”のファンだからという訳ではなく、名古屋の“スタークラブ”っていう日本最古参のパンクバンドが30年以上前にパンクだけをカバーする企画アルバムでギンギンに演っていたのを聴いて、「かっちょえぇ、俺もいつかカバーしよ」と学生時代から数年間温め続けてきた想いを今回やっとカタチにした、という訳で御座居ます。ガッチリとした漢らしい歌と演奏が、めちゃくちゃカッコ良かったんだよね!!
スタークラブは原曲の英詩のままカバーしていて、その内容は要するに“少年院を脱け出して好きなあの娘に会いに行くんだ!”というものなんですが、俺らは“少年院”というものをもう少し広く大きく捉えて、“青春囚われ”とか“生活の檻”なんて比喩もしながら意訳しました。つけた邦題はまんま「少年院脱走」。
「少年院脱走 -Borstal Breakout-」
作詞・作曲:デイヴ・パーソンズ&ジミー・パーシー
I'm sitting in this cell for something I didn't do
And all I can think of is baby I think of you
Don't worry baby coming back for you
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
Now I've got the chance I don't care about what I do
When I done them things I done them just for you
And now I'm getting out coming back for you
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
Well now I'm over the wall I'm nearly home
I'm coming through that door coming back to you
Now I'm nearly home nearly back for you
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
日本語詞:Nori MBBM
青春囚われ、ようこそ生き地獄
たいして悪いことはしてないよ
それでも理不尽、お前にやってくる
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
夢だの恋だの金だのうるせえよ
脱獄、脱獄、脱獄しちゃおうよ
生活の檻で虚しく吠えまくる
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
老後は君と一緒に暮らすんだ
いつも“捕らぬ狸の皮算用”
狸の気持ちもだんだん分かる
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
There's gonna be a borstal breakout
MVの撮影場所に選んだのは、中野にある廃アパートの一室──中が汚すぎたので土足(ブーツ)で畳を踏んで済まぬ。洗面所や浴室、押し入れもガチの昭和アングラ臭を醸し出していて、「MVの素材になるな」と思って撮影しようとしたけど、本当にお化けが出そうなのでやめた。
手前の服装については、数年前に若気の至りで日に日に付けるのが増えていった“缶バッヂ23個ジャケット”を着用(今回数えたら24、5個になってたかも)。下にはグラムでパンクなイギー・ポップのロックTをば。
~~~~~~
今日はヒロトさんの誕生日(春はパンク気分、きっと彼のせい)!!5月には俺らとシドの誕生日(春はパンク気分、これもその原因だぜ)。
ホントどうでも良い事だけど、おととい駅前で迷子になって泣きベソかいてる男の子を助ける夢を見た。今回のカバーと何か関係があるのか、何某かの啓示?誰か夢分析たのむ!!
ほいだらっ