2019年12月31日火曜日

骨まで平成31年、愛して令和元年

今年も終わりだす。ありがとうございました!!



 とりあえず、“骨まで愛して”。

 骨まで愛して平成。ええ、愛しますとも令和。



 2019年はオルタナティヴな一年でしたので、歌謡は歌謡でもノイズまみれにしちゃったの歌謡、今回。ノリの演歌はノイズ演歌、あぁジャイアン遠くなりにけり(たてかべ和也、いずこ)。


 “村田英雄”に“三波春夫”、“クールファイブ”や“ぴんからトリオ”、“ちあきなおみ”だ“藤圭子”……その他、B級カルト歌謡、ムード演歌、カバーしたい曲は山あれど、いっぺんには出来ませぬ、故に、コツコツとやってゆくだけよ


 生きてるかぎりは未だ生きたことなく、平成に居ながら平成が見えず、令和元年が完成しそうで、文脈の中で意味を持ちそうだ。



 だから今ここで、骨まで、骨まで愛してほしいのよ


 さようなら、ありがとう平成、永遠の別れ

 令和元年、らしかったよ、一年




 ではまた、来年!!ドグマッ


2019年12月10日火曜日

おかえりLove Homme♪ ただいまCome Home☆

“裸になって猿みたいにやれ
やりたいうちは猿みたいにやれ
猿より前のもっと前になれ”


~THE YELLOW MONKEY「Love Homme」より~


 おかえりLove Homme♪

 久しぶりにグラムロックわ、このオネエマンも久しぶりワ

 はーい、ノリエムビービーエムですわよ、令和お元気?


 ミーは“グラム歌謡メタル野郎”を自称しているのに、今年はパンクやオルタナティヴに振った一年だったもんで、グラムも歌謡もメタルもあまりせんで失敬こいたわ。取り急ぎグラムよ



 まず、“プラシーボがグラムか?”と訊かれたらば、それは厳密っちゃうと70年代に流行したグラムロックサウンドじゃなくて、明らかにパンクでニューウェーヴでオルタナティヴね(そういう意meanでは今年のミーがカバーするに相応しいと思うワ)。

 偉大なるバンドっちゅーのは、過去や歴史をブチ抜いて画期的であるからにして、例えば自身でやっている音楽は全然グラムロックぢゃないのに、T.Rexやニューヨーク・ドールズの熱狂的ファンだった“モリッシー”というガイもゲイなビーマイベイベーdeスミスちゃんね?80年代サウンドに70年代グラムは微塵もなかったろ?

 かくいうミーもグラムロックをラヴだがね、我がバンド・Unfinished Balladesはグラム的要素を幾ばくか含んでいると自覚するもののグラムロックバンドではないし、メンバーの総意(または相違)が反映されることを望むし、グラムロックはソロの私が好きなだけ演れば良いことなの。


 Coz ミーはスミスもプラシーボも分かるワ、物凄く共感しちゃうワ、以前からカバーしなきゃネ、と思っとった。

 But ミーはプラシーボのファーストアルバム「プラシーボ(1996)」しか持っておらんさかい、そればっか聴きよってからに、プラシーボを語りカバーする資格ないワ、と勝手に思い込みシンドローム。

 日頃、ツイッターで仲良くさせて頂いているグラムメイト(クラスメイトみたいに云う)のhoneyさんが大好きなプラシーボ、なので尚更そう思っていたのかしら。で今回、セカンドとサードアルバムも中古盤でゲッティンし、目下勉強中のプラシーボを思い切ってカバーしたワケね。こうやってセカンド、サードと聴いていくと、ファーストがナチュラルなバンドサウンドだけで勝負したアルバムだったと分かるわね(セカンド以降はギターやボーカルに沢山エフェクトがかけられてなあい?)。サードの9曲目「コマーシャル・フォー・リーヴァイ」とか一聴惚れしたから、こちらもいつかカバーしてみたいワ、うーんとアコースティックでメルヘンに。


 以上の経緯を含めちゃんちゃんこビギナーサーカス、T.Rexの「チルドレン・オブ・ザ・レボリューション」から始めてグラムロック式の敬礼、件のよく聴きまくりまくりすてファーストの一曲目「カム・ホーム」へ雪崩れ込む、というアレンジが突如アイデアぽん(他にT.Rex「20センチュリー・ボーイ」からのプラシーボ「ナンシー・ボーイ」というボーイボーイなカバー案もあった、がグラム過ぎー!今年のミーには)。

 And so 原曲はブライアンのギター変則チューニングでおっぱじめやがるが、ミーはレギュラーチューニングでカバーしたの、これ重大マター。原曲の不協和音感、ダークでゴシックな感じがパー、パーなミーは明るいパンクに寄ったった、これが素のミー、カバーは各々が好きに演れば良い、これで良い、これでいいのだ、天才バガボンド木工用大木凡人。

 At the same time ボーカルにローファイ・エフェクトをかけてみたの。ミーの声がミーにとって聴くに堪えないっつーのはロングロングアゴーな訳で、こんなボーカルエフェクトは最早要らんのだが、普段使わないものを使ってみるのが昨今のマイブームわ。


前回のカバーMV撮影中にギターの一弦を切ったがオルタナなので今回もそのまま撮影

 加えて、服装について述べます(急に翻訳マシーン口調)──わたくし得意のナポレオン(今回はライダース型)に女物のロングスカート、そして真っ赤なシルクハット被ってグラムをあからさまに演って、ブライアンの楽曲の根底にあるグラム魂に敬意を表し、ミーの日本語訳詞もブライアンの心情を最大限汲み取って書いたつもりんぐ。以下、原詞と日本語詞も載せちゃいんティックバーバリアン。


「Come Home」
作詞:ブライアン・モルコ、作曲:Placebo

Stuck between the do or die
I feel emaciated
Hard to breathe I try and try
I'll get asphyxiated
Swinging from the tallest height
With nothing left to hold on to
Every sky is blue
But not for me and you

Come home, come home, come home, come home

Glass and petrol vodka gin
It feels like breathing methane
Throw yourself from skin to skin
And still it doesn't dull the pain
Vanish like a lipstick trace
It always blows me away
Every cloud is gray
With dreams of yesterday

Come home, come home, come home, come home
Come home, come home, come home, come home


Always goes against the grain 
And I can try and deny it
Give a monkey half a brain
And still he's bound to fry it
Now the happening scene is dead 
I used to want to be there too 
Every sky is blue
But not for me and you

Come home, come home, come home, come home
Come home, come home, come home, come home



日本語詞:Nori MBBM

さっきから焦って、明後日まで持たない
吐き気、動悸、呼吸器、訳分からない
“すでに栄枯盛衰、ひと通り味わった”と
空の青はブルー、君と僕で意味は真逆

Come home, come home, come home, come home

いっそ混ぜてウォッカ・ジン
ラリって楽になりたい
酒も好き好き
二日酔って楽になれない
まるで口紅、拭っても唇の、上
空は曇ってグレー、天も拭えずに呟いた

Come home, come home, come home, come home
Come home, come home, come home, come home

ずっと信じたものを“依存”と云う
僕は猿だった、人間に憧れた
やっと分かったよ、居るべき僕の場所と
空の青はブルー、君と僕で意味は真逆

Come home, come home, come home, come home
Come home, come home, come home, come home



 ただいまCome Home☆

 ちなみに今回のMV撮影場所は、中野駅南口にある素敵なバーを貸して頂いたのよん。マスターもアダルティックダンディー柔らかい雰囲気を纏った紳士で惚れましたワ、お旦那にしたいワ。


 っちゅーことでNxt is カバーMVで“グラム歌謡メタル野郎”は歌謡を演るだろう、やはり令和元年なミーがオルタナティヴに演るだろう、ノイズキャンセリングノーキャンセルで演るだろう飲茶楼うまかろうモー娘。CMやってた少年ナイフ歌ってた


ブライアンちゃん、お誕生日あめでとう!!by 女装+すね毛=オルタナティヴ with チェリーレッドのマーチン10ホール野郎

 ではまたBoy or a Girl!!ごっきげんよう(インペリアル・ドラッグでも聴こう90sグラム)


2019年11月30日土曜日

平成の皆様、さようなら –我、令和オルタナティヴ–

半年振りの“Nori MBBMのカバーMVシリーズ”、令和に入ってお初の今回は(やはりニルヴァーナのカートが好きだった)ピクシーズで御座居ます。



 今年頭からの“ヴァセリンズ/ニルヴァーナのカバーMVロッソのカバーMVバンドの初音源「30年 e.p. -XXX years-」発売10月のレコ発ライヴ”、この一連の流れに終止符を打ちます。我、令和オルタナティヴ!!

 俺の場合、ピクシーズはニルヴァーナからでなしアジカンからのナンバーガール経由で知ったものの、未だにデビュー作のEPとファーストとセカンドアルバムしか持ってなくて、歌と演奏とメンバーのヴィジュアルつまりバンドにまつわる全てがめちゃくちゃツボで好きな要素しかないんだけど(後で詳しく述べます)、全作品買わなければという位には至っておらず(しかしナンバーガール経由で知ったのにナンバーガールより好きだ、しかしながらナンバーガールは全アルバム持っている何故だ日本人だからだ)

 ピクシーズメイニアではないので分からない事も多く、例えばデビュー作のEP「カモン・ピルグリム(1987)」はスパニッシュの要素が入っている印象なんだが、このラテン風味は何なんだろ、ギタボのブラック・フランシスの仕業?それともベースのキム・ディールによるもの?ギターのフレーズとか楽曲のタイトルとか詩に、それからアルバムジャケのアートワークにも、そこはかとないラテンを感じるんだけど、ピクシーズに詳しい人おしえてその訳を(♪Na~nanana na na~nanana by アジフー←椎名林檎風)

 で、俺が一番よく聴いたのはやはり、ロック史に何食わぬ顔で飄々として居座り続けるド変態なファースト「サーファー・ローザ(1988)」ですが(3曲目「サムシング・アゲインスト・ユー」からの4曲目「ブロークン・フェイス」の間髪入れぬ怒涛の流れとか狂おしいし愛おしい)、セカンドの「ドリトル(1989)」に至ってはもう世間常識そっちのけで突き抜けちゃって音もクリアで普通に聴きやすいし(ド変態も堂々と演っちまえば公然と狂って楽しいし正しい)、謂わば“変態ポップやりたい放題”って感じで30年経った今でもギンギンの現役、てか今のオルタナロックの中にブラック・フランシスの血が流れていないものはないのか、それがこの原液、我平成元年ドリトル同期、ニルヴァーナとかレディオヘッドとかナンバーガールを介した体液、知らぬ間のレイプに辟易(ちなみに「サーファー・ローザ」のプロデューサーは元“レイプマン”のアルビニ、その5年後にニルヴァーナの「イン・ユーテロ」も“レイプ・ミー”なアルビニ、バコンバコンいうドラムのエグい音処理が堪らんでアルビニ)。


 以上、他人事の曲が一つもないのよ、ピクシーズ。ブラック・フランシスって親戚のおぢさんでしたっけ?実は幼少を一緒に過ごした仲でしたっけ?と錯覚する程に。好きというより分かってるよ、分かってるって、だから分かりすぎて、デビューEPとファーストとセカンドだけで満足みたいな?まあ、お金があったら残りのアルバムも全て揃える予定、どうせ俺なんか全部わかりきっちゃうだろうし、きっと親戚のおぢさんだ。

 あと、我がグラムセンサーもビンビンに反応しちゃうワ。ピクシーズは絶対に「グラムロックではない」と断言できるけど、この奇妙なコード感とかヘロヘロな演奏&歌唱(男女が両方ボーカルとってるっつーのも両性具有ってるし)、“マーク・ボランみ”がチラホラと散見される-ファーストの8曲目「カクタス」なんて、ギターリフからボーカルまで“超T.Rex”……と思っていたらデヴィッド・ボウイがアルバム「ヒーザン(2002)」でカバーしていて心底納得。そう、ボウイ様も“ピクシーズ好き”を公言しており(そもそもブラック・フランシスの方がボウイを聴いていたみたいだし)、ピクシーズにグラムを感じた俺のセンサーの正しさは保証された、好きは繋がる、世間は狭い。


MV撮影の為、雨が止むまで池のカモを眺めながら休んでいたら

ワンちゃんが五匹もいらっしゃった(静かな御利口さん達)

 今回はファーストの5曲目「ギガンティック」にした訳だけど(タイトルからしてグラムが過ぎる)、選曲はめちゃ迷った。どれを俺がカバーしても違和感ねえなって。中には悪戦苦闘するカバーも多いから(どうしても俺色になんねえ、俺と混ざらんってヤツ)

 己が演奏のこだわりとしては、グラム+グランジ+ガレージロックのGGGの3Gなアレンジにしようと思って(GGGの3Gなアレンジって何?)、何って即ち手前の大好き全乗せで(マアホント欲張りネ!)、分厚く歪んだギターに(90年代はパンクとメタルの垣根をディストーションでブチ壊す!)、男のくせしてヘロヘロなファルセットボイスをイントロやサビのコーラスに入れて“マーク・ボランみ(=T.Rexみ)”をより強調したり(裏声入れるとグラムのグラム量が増し増し!しかしこれは原曲からそう!!)、冒頭の“ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ”っていうクリーントーンのブラッシングはニルヴァーナのアレ、「レイプ・ミー」のイントロのソレ(静かなクリーントーンからのドラムインからのバンドインで爆発しちまえスメルズライクティーンスピリット!しかしそれは原曲からそう!!)、そしてドラムのビートはローファイガレージ魂で轟音塊魂なノイズまみれ処理(エクスプロージョン!神楽坂エクスプロージョン!我ジャパメタ万歳!!)

 ……いつもの如く原詩と、俺の日本語詞をのっけときます。


「Gigantic」
作詞・作曲:キム・ディール&ブラック・フランシス


And this I know his teeth as white as snow
What a gas it was to see him
Walk her everyday into a shady place
With her lips she said


She said, "Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball
Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball
Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball"


Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love


Lovely legs there are
What a big black mass, what a hunk of love
He'll walk her every day into a shady place
Like the dark, but I'd want him


"Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball
Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball
Hey Paul, hey Paul, hey Paul
Let's have a ball"


Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love


Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love

Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love

A big, big love…


日本語詞:Nori MBBM

横目で見る彼の顔
女を連れ去るの
人目のない公園の
茂みの中で彼女が

そう、そう、そう、そうそう
ウソ、ウソ、ウソ、ウソウソ?
そう、想像に任せる

Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love

下に伸びる四本足
二人はゴミの人たらし
覚えた場所は公園の…
君も観に行こうよ

そう、そう、そう、そうそう
ウソ、ウソ、ウソ、ウソウソ?
そう、想像に任せるの

Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love

Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
Gigantic, gigantic, gigantic
A big, big love
A big, big love…



 内容はどうしようもない恋の唄(ルースターズ)だけど、あわよくば青噛んで熟って頂戴(椎名林檎風Ⅱ)、しかも“青噛ん”を見ている方で。

 まあピクシーズの歌詞は暗示的で、ネイティヴの人からすると一見ナンセンスらしい。意味不明だけど実は具体的なイメージが確固として有る、これは日本のバンドだとホルモンみたいな感じ?詳しくないから喩えが間違ってたらゴメン(しかしマキシマムザ亮君とローリーさんの血が繋がっていること、腹ペコ諸君の誰よりも俺がよく知っている、合掌グラム)。……否、やっぱりごちゃ混ぜ全乗せ感のあるホルモンじゃなくて、ここでもナンバガだな。抽象された歌詞の殺伐さ(“カラッと乾いた狂気”と云えば良いのか)、に於いて相似するので、酷似しているので……ので……ので(←人力ディレイ by 向井秀徳 This is)。


 それから撮影時の服装について、今年の手前のテーマは“オルタナティヴ(及びカート・コバーン)”だったと自覚しているので、飾らずにカジュアルな格好でカバーMVしました。ロックンロールとかバンドを演る時に俺が絶対にしない格好、近所のコンビニへ行く時くらいの適当な格好。緑のGAPのチェックシャツは友達の芸人さんから「俺にはサイズが大きすぎたから」と頂いたもので、下は気儘に黒のパンツとドット柄のコンバース。90年代以降のオルタナロック、大量生産型・近所の兄ちゃんを俺なりにやった次第。当初、「やっぱりグラム野郎だから、我が秘蔵のワードローブから女物を厳選して、ゴツい男が女装して演ろうか」という計画もあったんだけど(ドレスコーズの志磨さん云うところの「女装+すね毛=オルタナティヴ(※ドレスマグ特集 #21 参照のこと)」)、それは次回以降にするとします。


公園でヘンなことしないで、静かに野鳥の会でもしようぜ

 半年振りの“Nori MBBMのカバーMVシリーズ”、また年末に幾つかアップしようと企んでおりますので、楽しみにして居て下さい。

今日は何日ですか──11月30日──えゝ札幌、の11月30日ってこんなに熱いものなんでしょうかねえ?
-向井秀徳

 高円寺も今日は結構冷え込んでいるのだが、俺は何だか身体中が熱くて、どうもオルタナの血が騒いで、居ても立っても居られぬから、次もまたオルタナ、ティヴるだろ?


2019年11月15日金曜日

死なないだけの理由を探して(5/31の手記より)

今年の5月31日(バンドの初音源「30年 e.p. -XXX years-」の発売翌日)に残しておいたメモ書きをいま引っ張り出してみる。だって今日は、吐き気がするほど目出度いからね!(絶賛水星逆行中)


~~~~~~


 だいたい嫌なところは何をしなくても目に付くし、好きなところも少しだけ有るし、そんな状態で「自分が大嫌いだ」と言うのは理想的で、好きなところが誰にも負けない確固たるもの故に安心して宣言できる、というもの。



 本当に辛いのは、好きなど全て憎し、生きている価値なく、黒く大きな負債だけで「自分が大嫌いだ」、言うまでもなく。


 I hate myself and want to die (1993, Nirvana)


 「カートは自分を好きになれば良かったのに」「生きていれば良かったのに」

 これがエゴならば、誰か殺してくれない?


 大好きだった人や大切な人に全く理解できない世界でも、酷く傷ついた誰かにとって魅力的な人物であれますように。醜く汚れて、それでも生きて、何かの為、君のため。



 おい、ロマンチスト
 てめえ、ロマンチスト

 死ねないだけの理由を探して


 全部なかったことになったりして楽しいだろ、その感情も消し去るのさ
 未来永劫、誰にも気付かれることなく、さり気なく死す。

 ロックだとかバンドだとか知ったこっちゃないね、自分が可愛い
 時間とお金と愛をくれた人もいたので、生きている、生きてみる。


 ロマンチスト、死ねないだけの理由を探して


 死なないだけの理由を探して


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 ミチロウさん、69歳のお誕生日おめでとうございます!!


 いやだと言っても 愛してやるさ (君も水星逆行中)


2019年11月11日月曜日

グリコ・極細ポツキヰ概論(併説やをきん・うまゐ棒)

本日、令和になって初めての「ポッキーの日」ですので、ここいらで一度ポッキーの話をしなければなりません。


 私は“極細”のポッキーを一掴みで5、6本まとめて食べるのが好きです。


 これ“ガトリン食い”って云います(いま名付けました)。ほら、ポッキーの先端から煙出てません?ガトリング砲だからかな。まあ厳密に言えば、最低3本~最高6本の極細ポッキーを一掴みにして、それを無心でバリボリ食べるのが良いんだよね。慣れるまではポッキーの本数を意識してしまいますが、この食べ方のポイントはその本数を意識しないで、好き放題に、我が儘な子供の様に、赴(おもむ)くままに食べることであります。また、極細ではない通常のポッキーでは大味になるので(プリッツの比率が大きい為)、“極細をまとめてバリボリ食べる”のがとても美味、そして快感、気持ち良いということです。



 この際、うまい棒についても言及させて頂きますが、基本的には1本を3口で食べて、より愛しているなら4口で、苦手なフレーバーに当たったら2口でさっさと食べるのが良いですよね


 わたし魚介類は一切ダメですが、うまい棒“めんたい味”は開封前からもう旨いです。可愛いですね、3人とも笑ってますよ。こうして並べると、博士もわざわざ3回ビックリします。あの博士を3回ビックリさせられる位のやおきんマスターならせめて、固くて甘い“たこ焼味”を途中で挟んだりして、締めに再び“紫色の憎いヤツ -めんたいagain-”なあんて最高の思い出を作りませんか夢の中へ行ってみたいと思いませんか?(♪うふっふ~、さあ←ガサ入れされても俺ら素面)


 11月11日は「うまい棒の日」


 うまい棒30本は3日分


 うまい棒の穴を覗くと見える人には見える(わたしの顔が)


 ドグマッ


2019年11月7日木曜日

令和元年十月“THE27倶楽部”

バタバタしていて更新が遅くなりましたが、先月27日の下北沢でのライヴを観に来てくださった皆様、ありがとうございました!!ライヴハウスのDVD録画ですが、当日演った数曲をアップしたので御覧ください。


Unfinished Ballades、9回目のライヴも始まりはこの曲


いつでもどこでも誰でも開ける“あの夏の扉”


二番Aメロ“Nature is a whore”の一節のみ賛同しかねて、そこだけ唄わないカバー


最後、アンプのJCちゃんを倒してしまった俺のハードコア、きゅいーん


 今回のセトリは、今年5月に発売したUnfinished Balladesの初音源「30年 e.p. -XXX years-」のレコ発ライヴということで、EPに収録した全4曲と、カバーしなければならなかった1曲(Nirvanaのカバー)、それに当初8月下旬にライヴする予定で演ろうと思っていた1曲(「あの夏の扉を」)、の全6曲で臨みました。

 俺達のライヴを観て貰いたかった方々もお客さんでそれぞれ来てくださり、直接ありがたい御感想を戴けて、本当に嬉しかったです。一言一句、確(しか)と胸に刻み込みました。


当日はボウイ様のロックTとショットの革ジャンでキメたぜ、デイジーバー


 下北沢でのライヴはお初だったんだけど、何年も使っていた大切な財布を失くしまして(笑)。リハーサル時に数分だけ、演奏中は財布が邪魔になるからジーンズのポッケから出してギターケースに入れておいたんだけど、ライヴハウス内で盗られたみたい

 まあ三万四万はした金、何処ぞの貧乏に呉れてやろう。先祖代々今の今まで続けて来られた親譲りの先天的貧乏に、呉れてやればまたずっと後天的貧乏で居て暮れる、悪人正機、君は往生に近い、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏


~~~~~~


 二年前の2017年1月29日より、バンドのTwitterアカウントで毎日つぶやいている日めくりカレンダー、今日はこのブログでもめくって詠んじゃいます。


【MBBMの日めくりバーニン外伝】このギターの職人、PAの親、ライヴハウス設計士、カバーされたカート、皆27日に呼んだ(THE27倶楽部)。自分の知らない自身も誰かの身体を借りて、どっかでライヴ。昭和階段、平成元年階、三十年階、いま令和の一階を登り切るまで一緒にリヴ(・オア・ダイ)。ドグマッ


 Twitterで鍛えたジャスト140字、それではまた!!


2019年10月16日水曜日

それは一日の正体

二年前に云っていたビューレイ兄弟ってなぁに?って結局なぁに?先日、母と逢った際に話をして、二年越しのQがやっとAしたので、説明ポエムする。


「What's the bewlay brothers? (Today's real name.)」
by Nori MBBM

朝に生まれ、昼に生まれ、夜に生まれ、三番目の牛の僕が語り尽くせない夜を渡り、朝を迎え、一番目の貴方に優しさを届け、天秤の君はそれを怒りにも似た陽晃(ようこう)に変えて真っ昼間、二番目の貴方が真っ正面から世界にぶつける剛健(ごうけん)、朝と昼は君の天秤、喜楽の他に悲哀も載せた両方の受け皿を夕方の橙、夜が複数の胃で反芻して夢、消化しては必ずやってくる朝。



夜明け、朝焼け、僕らビューレイの三位一体──I wanna be


ビューレイ・ブラザーズ!!もしくは、朝焼けの仮面ライダー──Bowie or Bolan


それは一日の正体 ──Today's real name






お誕生日おめでとう!!


2019年10月7日月曜日

わたし令和のオルタナティヴ(10月のライヴ告知)

今月の10月27日(日)、下北沢デイジーバーにてUnfinished Balladesのライヴをやります!


お店は17時30分オープン、我々はトップの18時からライヴ予定

 平成の30年間が終わりまして、我が30歳の誕生日と共に元号“令和”が始まり、新時代誕生を迎えられた身として、いよいよ時代と対峙しながら、かつての様に呑まれることなく、対等なる“オルタナティヴ”としてライヴします、つまり、そう、生きてゆきます。


 “わたし令和のオルタナティヴ”


駅からデイジーバーへの地図も貼っとくね、グーグルマップ♪

 今年5月30日に発売したUnfinished Balladesの初音源「30年 e.p. -XXX years-」のCD販売も行うので、宜しくお願い致します。プリプロから発売まで一年もかかった自信作で御座います!!!


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自分の番が来るまで読むつもりが二人のインタビュー面白すぎて何しに来たのか忘れた

 そして、近所にあるパンクス御用達の床屋さんで、お姉さんに軽くツーブロをお願いして、ライヴ前に散髪してきました。高円寺では有名な北口にある1,000円カットのお店で、店内のBGMは常にゴリゴリのパンクロック!!準備万端シルヴィバルタン


 それじゃあ、27日(日)にお逢いしましょう!!!!

 Are you burning?


2019年9月6日金曜日

花壇の前で、空を見上げています

いま、利き手である右手を負傷して、紙に手を置き、ペンを握って字を書くことが出来ない。つまり、手紙を書くことが出来ない。文通仲間に返事を書けない。少しつらい。



 醜い傷口、血、膿、人に見せられない。身体の割合からすれば、手なんてちっぽけなのに、見せられない。


 また、ギターを弾くことも出来ない。つまり、曲作りと宅録に、リハーサルやライヴも出来ない。結構つらい。



 不幸中の幸いは、こうやってパソコンやスマホで文字をパチパチ、ポチポチと打つこと。これなら作詞も大丈夫、反対の手で。手の代わりに、テクノロジー。


 心で“イテテ”と叫びつつ、仕事は強引にやる。相変わらず、手は嫌だ。



 やるべきことが山積しているのに、仕事以外では本と映画に一日を費やす。30年、それなりの容量ではあるが、まだまだ全然、たくさん置けそう。


 すべてはロックンロールの為、怠惰に見えても許してほしい。




 そして花咲くのなら、このブログ記事こそ、今日時分に蒔いた種です。




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 ケータイを5年ぶりに新しくした(兄がくれた)。その前のケータイも4、5年くらい使っていた(それも兄から貰ったやつ)。いつも、ありがとうございます。




 写真の画質と私の腕、上がったのはどちらかしら?(ROLLYさん、お誕生日おめでとうございます)


2019年8月1日木曜日

9,710km、19g・110円

フランスの友に手紙を書いて
近所の郵便局へ出しに行く

東京からパリへ
9,710km
たった110円で飛んでゆく

日本の夏を伝える便箋が2枚と
お手製のポストカード
いわゆる“暑中お見舞い”
茶封筒に俺の真心が19g

インターネット社会で驚くことではないけれど
国際電話もタダの時代に

しかしラヴレターが
9,710km
ジュース一本で飛んでゆく

だから何だか嬉しくて
フランスが近所みたいで
バスに乗るより
パリに手紙を出す


ラヴレター・フロム・ジャポン

「あちらへは7日後に届く予定です」

9,710km、19g・110円




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 追伸、、ツイッターでは呟きましたが、7月13日(土)と30日(火)に我がバンド・Unfinished Balladesのスタジオリハーサルをやりました。夏の終わりにライヴを演りたいと思います。


 その時は改めて告知いたしますので、どうかお楽しみに!!よろしく


2019年7月26日金曜日

ラヴレター・フロム・フランス(←カナダではない畑中葉子)

今月上旬にフランスへ帰った知人(以前、hideさんのお墓参りへ一緒に行った人ね)から、自宅のポストにお便りが届いた。



 “日本のニュースではパリの猛暑(40℃超え)が伝えられていたから、出国前に色々と心配されたけど、例年通りで全然過ごしやすいよ、何ならTシャツ一枚だと寒いくらいだし、夜はお布団かけて寝ています”とのこと。俺はやっぱり日本が好きだけど、フランスも行ってみたいなあ

 その他、パリ郊外へ路面電車とバスを使って友人と晩御飯を食べに行ったこと、また日本の労働環境に関する話や、私の身体の心配もしてくださって、有り難い限りです。お返事を書かねば!


 お手紙を書くのは昔から好きだけれど、こうして想ってくれている人からお便りを貰えるのは、もっと嬉しい。

 嬉しいことは、他の人にもやっていこう(迷惑でなければ)!




2019年6月19日水曜日

時代わたくし辯論

修羅篇より


いや実に人間の心は広い、あまり広過ぎるくらいだ。俺は出来る事なら少し縮めてみたいよ。ええ畜生、何が何だか分りゃしない、本当に!理性の目で汚辱と見えるものが、感情の目には立派な美と見えるんだからなあ。一体悪行(ソドム)の中に美があるのかしらん?……
 ……しかし、人間て奴は自分の痛いことばかり話したがるものだよ。
-ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」より

 一世紀と十年、萎え切った芲(はな)を、絶え絶えた息を、貧しく飢えた人を、津軽のマロサマを、決して哀れむな。平成と30年、ここに其の具体例が有るのに、在るのにもかかわらず、君は憐れむのか──囲桃園跨線橋(かこいもゝぞのこせんきやう)、シヨツトの革ヂヤン、懐に白きフリヰヂア。私達は小説的か、戯曲的か?君は台詞から読み取るか、一挙手一投足より汲み取るか?今からパリのサロンで、此のアゴラで、時代わたくし辯論(べんろん)するとしませう。“いざ、思想衝突!!”

 わたくし「君との相性が良くないと、一緒に居てはいけない気がする(花瓣を一片おとす)。」

 時代「こうして繋がってさえいれば、私達は恋人で居られます(一片の花瓣をさらう)。」

 わたくし「保護、愛護、宣言、法律、そこまで考えが及ばぬ。勝手に散歩し、一生を終えて、君など知らぬ、存ぜぬ。中野区役所まで年金や住民税の相談には参るが、幕府の犬にはなれぬ、君を愛せぬ。」

 時代「暇、暇、暇!!勉強と研究と生類の憐れみに暇、暇、暇!!罰当たりな暇を隠し持ち、忙しい振りをして、誰よりも手前らしい、暇、暇、暇!!」

 わたくし「ヱゴ、ヱゴ、ヱゴ!!自我が腫れ上がり、君の入れぬヱゴ、ヱゴ、ヱゴ!!訪ねて来ても、話し掛けても、受け付けぬ。夢に敗れて余裕なし、夢が叶うも余裕なし、そうだ夢こそ腫れ上がる、ヱゴ、ヱゴ、ヱゴ!!」

 時代「芥川、芥川、芥川!!川端さん、佐藤さん、芥川賞を私に!!芥川、芥川、芥川!!(歿後、發見せられしノヲトより)」

 わたくし「死人に口なし!こんな赤裸々あんまりぢゃないか!!これもパフヲマンスだ、ポヲズだ、と云ってのけて、君は何でもするんだな!!!」

 時代「君の為なら何でもする、なんて脅しは要らないのです。君の為に何時か、壊したくはないのです。中途半端に何時も、御飯の種を食べて暮らして居ります。君と一緒に居られるだけ、それだけで良いのです。」

 わたくし「手前の飯が欲しけりゃコンヴィニの廃棄弁当でも喰らえ、畜生、経済は共食いの味を知れ、畜生、時代の方こそ恥を知れ、畜生、社会システムの挫折と戦後レヂヰムの失敗の盛り合わせ、畜生、容器の隅に手前の無駄まで添えて、畜生、全て手前の驕りで、畜生」

 時代「畜生と六回も仰って、六界はここの他にもあるのですよ?連れ出してあげましょうか?突き落として差し上げましょうか?それに手前の無駄ですって?無駄のない夢には小さな成功しか有り得ませんから、これからも夢は大きく、人生の全てを懸けてやるべきです」

 わたくし「たった一つの人生を奪われてはならぬ!殉ずれば良し、とせぬ!!痛くて情けない話をする!!!骨折りて読み書きをする……間違いて正し続ける文字となる。乾ききった時代の お前の眼前にブチ込む……殺生ワード頭蓋骨。」

 時代「失敗と未練が眠る墓標には戒名、その手口は巧妙。悪夢を正確かつ克明に記し、黙々と芸術に仕立て上げる儀式。」

 わたくし「時代の断片的犠牲者──卒業、失恋、転職、死別!わたくし縁を切りとうて、わたくし楽になりませう!!本を開けば歴史と繋がる──時代の断片的犠牲者!!!」

 時代「一生を懸けて作られた城、主も死して素通りに。城を過ぎ去る我々に、“やはり城は良い”と立ち止まるは僅か。君は死するまで、城の整備に明け暮れるのですね。」

 わたくし「後の祭りの片付けを、湿っぽい気持ちになって、やったんだよ。無軌道に当たり散らし、角の取れた山車(だし)、三島的集団的肉体的同一化、酒臭え息で転がる鬼ころしだよ。無計画に酔って増えすぎて、戒めに点数を減らされる場面、公然と演ずる事になったんだよ。別に恨んぢゃいないし、綺麗にするつもりだし、このケがれた場を使おうと思うんです。ハレて用済みとなった誰も居ない所で、悠々自適と革命を起こす、罰当たりな程に。」

 時代「革命も祭りも、容赦のない死を忘れる為です。独り立ちをした気になっても、同じ穴の貉(むじな)です。1920年代パリのカフヱです、1950年代銀座の銀巴里です、貉は集まるものなのです。見栄っ張りの宵っ張りの出ずっぱり、パ・リ。」

 わたくし「パ・リ?私の写真や日記を恥じて、時代の名画や名著を可愛く思う。私は貴様か人類か?どうしたら形容できて?どうしようもない感情だ。やっパリ一生懸命っつうのは、どうにも笑えるワ。苦笑や微笑、隙あらば笑ってラ。ワ・ラ。」

 時代「ワ・ラ。せめてアニメや漫画の様に、心象描写の一コマを連続の中に、予(あらかじ)めセリフのあるキャラクターに、目線や冷や汗を鑑賞され得る作品に、陰惨で残酷な悲しい世界に、“これも仕組んだ事なのだ”という意志を捻じ込み、一コマ一コマは唐突だが、連続すれば情緒的に、ワ・ラ。」

 わたくし「ワ・ザ。時代が提示する生き方、時代の提唱する言動、皆目、故意、わざと、あざとい。ワ・ザ。」

 時代「ピ・シッ。人間の生きて行く資格を云ったまで、君の禍いを一つ位は背負ってあげようと思ったまで、だって。君一人で禍いを十も持って、其の内の一足らずで誰かが死んでしまう、そんな様な光景を幾度となく目にしたもので、だから。腹の虻(あぶ)を打ち殺すみたく、のんびりおっとり、多分、其の三倍速で以(もっ)て、牛の尻尾が、ピ・シッ。」

 わたくし「イ・タッ。過去のデブゐ私が、肥満児がそこに、居た。友達の家の居間(リヴィング)で、友達と友達のお母さんを笑わす為、痛っ。全力の腹踊り、アウチッ、波打つ脂肪。志望した覚えのない、ピエロ。死亡した憶えもない、道化。手前が提示する生き方、手前の提唱する言動、皆目……イ・タッ。」

 時代「チ・ッ。気付いちまったか、知。恥じらっちまったか、血。目立つよナ、落ちないんだよナ。拭いても拭いても、しつこくてマア大変。まるで殺人事件、ホント特殊清掃。辺り一面、真ッ赤ッ赤……チ・ッ。」

 わたくし「赤のアント(=アントニム:対義語の略)は、黒。けれども、黒のアントは、白。ですので、白のアントは、赤。」

 時代「如来(によらい)はすなはちこれ虚無(こむ)、虚無はすなはちこれ解脱(げだち)、解脱はすなはちこれ如来なり……HUMAN LOST.」

 わたくし「如来は乃(すなわ)ち虚無であり、虚無は即ち解脱であり、解脱は則ち如来である、と……人間、失格。」

 時代・わたくし「“グッド・バイ(未完)”」

 私、平成元年五月一日(月)生まれ、体格変動著しく、顔色わるし、好きなもの和菓子──辯論における駄洒落の類いは、気の強い恋人に注意されて止めた模様。時に令和元年六月十九日(水)、バンド活動を続けながら突如、消息不明となる──新たな元号に呑まれた?と見る向きもある──。

 “アンフヰニツシユド・バラツヅとは音程を伴った文学なり”──其の声は時代に向けられた。今日の110年前にも丁度、津島修治という男が呱々の声をあげたそうだ──或いはまた、仏として迎えられたのも何時か同じ日であった──。


餓鬼篇に続く


2019年5月31日金曜日

30のつくりかた

彼は半ばベッドの上に起きあがったような姿勢で、巨大な肩と堂々たる頭を客の方へ向け、片腕を掛布団の上に伸ばし、雀斑(そばかす)のある船長のような手を肌着のシャツの袖口のところからまっすぐに立て、親指と人差し指とで例の円い輪を作り、その横に三本指を槍のように立て並べていた。
-トーマス・マン


2019年5月30日木曜日

1st EP「30年 e.p. –XXX years–」発売

我がバンド、Unfinished Balladesの初音源・1st EPが本日発売されました。


その名も「30年 e.p. XXX years

(ジャケット裏)
人格形成に多大なる影響を及ぼしたものたち……俺は断然“セガ派”だった



 デジタル配信で“Amazon Music、Google Play Music、mora、music.jp、Spotify、YouTube Music、レコチョク”等の大手配信ストアにて、1曲・200円よりダウンロード購入できます。フィジカルなモノとしては、今後ライヴ会場でプレスしたCDを販売いたします。


CDは税込1,000円で販売(初回は100枚プレス)


 以下、このブログ記事に一曲一曲のエピソードも書いておきます。


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全曲試聴トレーラーも作ったので観てね!!


1.「殺生ワード頭蓋骨」(作詞:Nori MBBM、作曲:Kaz)

 2015年9月22日(火)、Unfinished Balladesの前身バンド“MBBM”のスタジオセッションで、初めてバンドメンバーと一緒に作ったオリジナル楽曲。作曲はMBBMのリズムギター・Kaz兄でクレジットしていますが、メンバー4人“せーの!”の即興で作詞作曲をしました(曲の核を成すコード進行はKaz兄考案)。この一曲で「俺達のオリジナルをガンガンやっていこう」と自信が付いた“バンド人生の出発点”とも言えるナンバー。ライヴでは大抵、一曲目に演奏します。

 “Unfinished Ballades”になってからはボーカルの私がリズムギターも担当しているので、MBBM時代とアレンジがやや異なりますが、最新で最強のヤツをレコーディングしました。Shinさんのリードギターも“布袋イズム”を感じさせるアグレッシヴな攻めのリフで(もともとShinさんと俺は“布袋寅泰とセックス・マシンガンズが好き”同士で仲良くなったのだ)、一聴して頭蓋骨に大きめなヒビが入ったよね。

 詩に関しては、スターリンのミチロウさんやミッシェルのチバさんが持ちうるような“鋭利な言葉”、“エッヂのある語感”を意識して書きました(というのは後付けで、前述した4年前のセッションで叫び散らしながらのフリースタイル即興作詞でした)。

 “アイ・キル・ユー”なエッヂのある言葉を貴様の脳天にぶち込むぜ


2.「Kiss and Death」(作詞・作曲:Nori MBBM)

 2017年2月20日(月)、大切な恋人も友達もなくして独り、高円寺の自宅にて怒りに震えながら数分で完成させたナンバー。2017年1月29日(日)のライヴを最後に“MBBM”が解散、新バンド“Unfinished Ballades”結成に際して書いた楽曲群の中の一曲であります(他にUnfinished Balladesを立ち上げる際に書いた曲で、「彼女の心は桜色」というアジカンとイエモンを足して割ったようなポップなナンバーもありました)。

 これはもう手癖というか俺のお得意というか、何も考えずに直感だけで作詞作曲をしました(結果として“チバさんリスペクト”な曲になっていると思う)。バンドをやっていく中で経験した、もしくはこれから来るべき苛立ちを詩に認(したた)めた攻撃的なナンバー。この曲に関しては、間奏のギターソロも俺が担当。

 すべての音楽家気取りのクソッタレに、俺の口づけと死を


3.「横浜ブレードランナー」(作詞:Nori MBBM、作曲:Shin)

 2017年4月16日(日)、Unfinished Balladesの初ライヴを終えてから数日後のこと、ギターのShinさんからPCメールで送られてきたデモ音源、仮タイトルは「笑い」(Shinさん、なぜ?)。これがまさか我ながら「横浜ブレードランナー」という詩になるとは(笑)。聴かせてもらった時の第一印象は俺の中だと“まだギターロックをやっていた頃の、2ndアルバム辺りの初期レディオヘッド”のイメージだったんですが、いつもライヴを観てくれている方々にはどう聞こえているのだろうか?そういえば、「この曲をどういうイメージで作ったのか」ってのも、Shinさんに訊いたことないな。

 Shinさんがリードギター&リズムギター、ベース、ドラムのフレーズ、ボーカルのメロディーや曲構成など、完璧に仕上げたデモ音源を作ってきてくれたので、自分は本当に詩を書いただけです(作詞は作曲より大好きなので御褒美です、美味しいところだけ御馳走様です)。

 詩のイメージは、幼少時に父と兄によく連れられて行った新宿の高層ビル群の街並みを思い浮かべながら、且つ作曲者のShinさんが横浜生まれの“浜っ子”なので、その風景も綯(な)い交ぜにして、架空の未来都市における独白調の物語として書きました(加えて、俺の人生初のギターも横浜の楽器屋で買ったんだが、あの情景、夕暮れの帰り道も、ずっと忘れられずにいる)。それから、説明不要なSF映画の傑作「ブレードランナー(1982)」の世界観も頭に過(よ)ぎったので、以上を全てミックスして“都会に生きる孤独”について歌いました。

 あとね、間奏部分が16小節あるんだけど、その内の前半8小節がベースソロのパートになっていて、ベースをやってくれていたAyaさんが新曲初合わせのスタジオリハでソロを弾いてくれた時はマジでカッコ良くて、演奏しながらゾクゾクっと感動したし、“Shinさんも曲中にベースの見せ場を入れちゃうなんてイカすなぁ”と改めてバンドメンバーの才能にホレボレした記憶あり。今回の音源では、これまた凄腕ベーシストで機材マニアのSyuさんが、クールなベースソロを弾いてくれていますので、ゆっくりとご堪能あれ。

 ライヴで演ると「あの中盤でやっていたディレイかけてた曲が良かったです」と必ず評判が良くて、とても嬉しいのだけれど少し悔しいのである(俺の作曲したナンバーも褒めてくれ、笑)。ということで、この曲はこれからもずっと大切に演ってゆくでしょう。

 愛している、今でも
 覚えている、あなたの声



4.「Anti-aging Music Rising」(作詞・作曲:Nori MBBM)

 2017年11月8日(水)に書いた“俺のハードコア全開”なナンバー。バンドで云うと“ミッシェル”に“ATDI”、“9ミリ”あたりの影響を感じさせる楽曲。過去のブログにも書いたけど、一時期、立川にある“コズミックホール”というライヴハウスによく出演させてもらっていて、そこで10代の高校生や大学生の人たちと一緒にライヴをする中で、「俺の作る曲は70~90年代の血が流れているからテンポが遅いな」と思い知らされ、「BPMの速い曲を書かねば」と思い立ち、割と意識的・意図的に作った曲なのです。

 前述したように、今回のEPの2曲目「Kiss and Death」とかは何も考えずに作っている一方で、この曲は俺の中の“ハードコア魂”をフル回転させて必死に作りました。Shinさんの「横浜ブレードランナー」に影響されたのか、わざわざベースのソロセクションも設けたし(笑)。それと間奏では、オアシスのデビュー曲「スーパーソニック」よろしくなスローピックスクラッチも“キリキリキリキリ……”と鳴らしております。あの不気味でスローなピックスクラッチを自分も自身の曲のどこかで、バンド人生のどこかで絶対にやりたかったの、という小さなこだわり、小さなロックの夢、また1つクリア。

 ライヴで披露した時はギターを故意にハウリングさせまくって、お客さんへ不協和音の嫌がらせをしていましたが、これからもそういたしますので、是非ともライヴ版の方も生で聴きに来てください(笑)

 音楽の、ロックンロールの魔法で、歳を取るほどに若返ってしまおうぜ


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アマゾンで自ら配信中の音源も購入、愛用のウォークマンにも入れたった

 音源のミックスに関しては、エンジニアのたかしさんに「“ニルヴァーナ”とか“ミッシェル”みたいなエグい音にしてください」と伝えて、見事、ニルヴァーナの2nd「ネヴァーマインド」や3rd「イン・ユーテロ」、ミッシェルの5th「カサノバ・スネイク」に6th「ロデオ・タンデム・ビート・スペクター」あたりのバキバキな骨太サウンドになって返ってきたので、本当に感動いたしました。

 ちなみに全曲、右(→)チャンネルのギターがShinさんの“ワッシュバーン・N4”で、左(←)チャンネルのギターが俺の“フェンジャパ・ストラト”です。アンプはShinさんが“マーシャル”、俺が“JC(ジャズコーラス)”という定番のチョイス。

 それからCDのマスター音量について、昨今の流行りよりも小さめの音量でマスタリングして頂きました。ここでもニルヴァーナの「ネヴァーマインド」を意識しており、初版91年盤と同じ位の音量となっております。イエモンで云えば、ファンハウス移籍前の90年代コロンビア時代、「フォー・シーズンズ(1995)」迄のアルバム作品の音量に合わせております。

 2000年代以降のCD音源、特に邦楽を聴いていて、闇雲に音量を上げすぎだろう、という違和感が10代の頃からあって、みんな馬鹿みたいだな、と思ったのが事の発端です。ロックは馬鹿でナンボじゃい、という思考停止は黙れ。話は逸れるが、最近のロックやポップスのMVとかライヴ映像の高画質化にも、ずっと違和感があります。業が浅はかで白けるんだワ

 従って当作品のマスター音量は大きく作られていないので、爆音で聴きたい方はご自身の再生機器の音量を上げてください。ヨロシク!!


「私の少年時代は永い病気のようなものでした」
-フェリックス・ド・ヴァンドネス

 そういえば、イエモンのメジャーデビュー作「夜行性のかたつむり達とプラスチックのブギー(1992)」のレコーディング時のエピソードで、音源のミックス作業日に発売したばかりのニルヴァーナ「ネヴァーマインド」をエンジニアの方が買ってきて、すぐにラジカセで聴いて、その音圧に皆で衝撃を受けて、エンジニアが同じ様なエグいミックスをしてくれたそうなのですが、対する吉井さんは“ピンクレディー”や“フィンガー5”など70年代の歌謡曲をエンジニアに聞かせて「こういうポテポテしたスネアの音にしてください」と喧嘩になり、「俺はカッコ良い音楽をやりたいんじゃないんだよ」と自伝本に書かれていたことを思い出しました。

 自分は今回、その吉井さんの意志を受け継ぎながら、「俺はカッコ良い音楽をやるしかないんだよ」と憧れにも謀反、俺の存在理由“世界のどこにも負けない日本のロックンロールを演ること”、その攻撃的なサウンドの真を突き詰めただけの話。死ぬ時は結局一人だから、独りで演るしかないんだから


令和元年にレッツ“両性具有ポーズ(命名:Nori MBBM)” !!
※イエモンのインディーズ時代の名盤「バンチド・バース」のジャケットのマネ

 この作品を平成の30年間と、スターリンのミチロウさん、ニルヴァーナのカート、ミッシェルのアベさんに捧げます。あとは俺の今迄の人生、愛憎の30年間に


歌詞カード、盤面、帯、CDトレイ内外、寸法合わせながら全部1人でデザインしたぞ!

 令和元年5月30日(木)、Unfinished Ballades 1st EP 「30年 e.p. -XXX years-」発売。平成元年5月1日に生まれた30歳の男の叫びを、平成三十年間の鎮魂歌として、此処に。十兵衛が打ち建てた感応寺の“五重塔”さながら、憲宏が造立した平成の“30年”を、ここに。


 それでは、次はライヴだぜ!!よろしくお願い致します。


2019年5月1日水曜日

30歳:令和元年、五月一日

おうし座──変化は苦手でも新しい地盤作りの為、持ち得る言葉と音を世界に馴染ませてゆく。これらは誰かの言葉と音に影響されたものかもしれないし、私の言葉と音が伝播・波及して誰かのものになったのか。

 時代はそうやって、我々が確かに一つずつ作ってゆく。


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 手前味噌になるが、Shinさん作曲のナンバーに私が詩をつけた一節を。

この街の寂しさって
僕の心、君の心で
作られてるんだって
君は信じられるかい?


未来都市、摩天楼
知らない人たちの群れ
大通りで立ち尽くして
僕は我に帰ったんだ


~Unfinished Ballades「横浜ブレードランナー」より~



 白いフリージアの花言葉は「あどけなさ」、29歳までの私へ贈る。もう堂々として良い


 暗黒の十代、狂乱の二十代、黄金の三十代へ。

 ミチロウさん、あなたから独りで生きる強さを教えて貰いました。涙も出ないくらい辛くて心から消えたい時、真夜中に独りで外へ飛び出して、早朝、誰も居ない京浜東北線のホームであなたの弾き語りを聴いて、少し生き延びました。だって、ミチロウさんは独りで生き抜いた人だったから。ヒロトの言っていた“パンクロックが好きだ、優しいから好きなんだ”って、これか。ミチロウさん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。そして、あなたは偉かった。


 義理人情より優先しなければならないものがある。自己中心に思われる、他者からは勿論、当人でさえそう判断しかねない。誰に頼まれた訳でもない誰の仕業、鬼畜も眼を丸くするよな鬼畜の所業、単なる宿命。

 多分、大切な人をまた失うだろう。せっかく出逢えた世にも稀な理解者を、世にも奇妙に理解できず仕舞いで亡くすだろう。痛み伴う前にこう簡単に失言し、後から何年も何年も苦しむのだろう。止めたら良いのに止められない、辞めたら良いのに辞められない。ポーかな、ゴッホかな、宮沢賢治かな……みんな御忠告どうも有り難う、でもやるね、やらなければいけないからね、皆がそうした様に。

 生きている内は上手くやらねば、再生数稼がねば、“いいね”貰わねば。承認欲求満たさねば、色恋でもせねば、ねばねばねばねば。馬鹿野郎うるせえ、俺が閻魔なら貴様ファイヤーだ、いやバーニンだ、それよかやらなければいけないことがあるだろう、大事なものがあるだろう──のつそり、のつそり、五重塔。

 それぢゃ、いってきます


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 追伸、、


整理番号“99”だぜ……イエモンの「9999」といい、ひいじいちゃんが見ているに違えねえ(あゝ九右衛門様、私です、憲宏です)

 今日は超近所の野方にロックスター降臨。短編映画の演技も生トークショーも、あの“付録ラジオ”の志磨さんの話し方のまんまで(当然か)、ニヤリとしてしまった。

 何が大型10連休だ、何が30歳の誕生日だ、何がゴールデンなウィークだ、って感じの連勤地獄で寝る間も無いグチャグチャの労働生活の真っ只中、“こんなもん軽く捻り潰してやるわ”と仕事の合間にダイブして、やりたいこと、やるべきことをやっている。露伴の書いた「五重塔」の十兵衛が如く、拙者は待ちに待った“30年”の塔の完成に悶えて居る。

 今日は良い日だ、いや力尽くで良い日にした、これから仕事だバカヤロ行ってきます!!

 平成よ付き合って呉れて、どうも有難う!!!


 よっしゃ令和元年、どうぞ宜しくお願いします。


2019年4月25日木曜日

「平成の人殺し」

「──その女というのが、耳のうしろに花を挿した野性的な、宿命的な女で、青年の魂をすっかりとりこにしてしまいます。そのために青年は完全に道を踏みはずしてしまって、女のために何もかも犠牲にして、脱営し、女といっしょに密輸入者の群れに入り、すっかり堕落してしまうのです。さてそうなると、女は彼に飽きてしまって、闘牛士とくっついてしまうのですが、それがまたすばらしいバリトンの持ち主で、女が絶対にいやとはいえないような男なのですね。そうしてこの気の毒な兵隊が、顔を真っ青にして、シャツの胸をはだけてでてきて、闘牛場の前で女を短刀で刺し殺しておしまいになるのですが、女はまさか男がそんなことまでするとは思わなかったので男を挑発したというわけです。」
-ハンス・カストルプ

 そもそも恋人の二人の出逢った事が間違いだった十年、間違いが本当に間違いか確かめてみたかった二十年、これほど悩ましく恨めしい事もない三十年──「平成の人殺し」 by Nori MBBM

 Unfinished Balladesのライヴでミッシェルの「ゲット・アップ・ルーシー」に「ダニー・ゴー」、またソロの弾き語りで「キラー・ビーチ」も演ったし、ニルヴァーナの方も弾き語りで「About a Girl」を以前カバーしたけど、この“カバーMVシリーズ”でもカートとチバユウスケの曲は絶対に演っておきたかったので、前回のカバー、そして今回の「人殺し」と一通りレコーディング・撮影する事ができて良かった。



 今回、このカバーMVシリーズでは初めて打ち込みドラムやシンセベース等のリズムトラックを録らなかったんだけど(原曲もギターとボーカルのみだし)、己がカバーとロッソの原曲で最も異なる点を挙げるとするならば、それは“湿っぽい”ってとこかな。

 チバさんって生まれながらにして、また自覚的にも“カラッ”と乾いた人でしょ。ミッシェルやバースデイのフアンの方も、そういうサバサバしたのが好きな人多いと思うし。バースデイのファーストに「うんざりするぜ、お前のしめった感じ、メキシコ行け」って歌う曲もあったよな──しかし如何して俺は湿っぽい(メキシコへ行く予定はないが)

 故に今回のカバーと原曲で一番異なる点は“湿っぽい”ってとこ、チバさんの曲を吉井さん(それも「39108」を出した辺りの)がカバーしてる感じ?これは意識的にアレンジしたというより、吉井さんとチバさんのロックンロールを10代の青春の終わりに毎日聴いていた手前のサガが出ただけのこと。


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 まあカラッと乾いただのサバサバしているだの言いましたが、チバさんが実に面白い人だなと思うのは、時折メルヘンで至極ロマンチストな詩世界を描くところだ。この人の詩集にはボールペンやマジックで描かれた幾つかのラフ画(書き殴られたイメージの断片)が載っていて、其処にも無邪気な夢想家としての一面を垣間見る事が出来る。

 子供が頭の中の箱庭で遊び回る奔放な感じ、そういう一面を“男の顔は履歴書(安藤昇)”みたいな世界観に紛れ込ますのがホント上手いし、絶妙でズルいし、それがチバさんの言語化しづらい潜在意識的な魅力だと思う(言語化できたらブコウスキー、ブコウスキーは「魔の山」を退屈と見なす、それを有難がって読む俺はチバユウスケから“メキシコ行き”を告げられる、そこでまたブコウスキーと再会す、俺はきっと人殺す、チバの詩をこうして論評する様に、憧れを喪くす、いま此処で文章を書く様に、平静に人を殺す)。

 ミッシェルのライヴの入場SEが「ゴッドファーザー・愛のテーマ」だった時期(チバさんがオールバック・リーゼントだった数年間)があったけど、あのマフィア的な世界観なんかまさにそうだ──“冷淡かつ残酷で容赦のない大人の男”と“友情や絆とか家族愛を重んじる純なままの幼い男”の同居。



 MVの撮影は、高円寺から中野へ行く途中にある公園にて決行(友人が以前、この公園で雷に打たれて入院した⚡KAMINARI TODAY)。



 また何でスーツ着てブランコに乗って弾き語りしたかって、別にうらぶれたサラリーマンを演りたかった訳じゃなく、この「人殺し」って曲がキーを変えたバンドアレンジで「ブランコ」という別名で演奏されているからです(「ブランコ」の方は公式にMVも作られている)。スーツの方はと云えばバンド・TMGEからの観念連合、或いは前述した“大人と子供が同居した様な男”のイメージから着用。



 バンドで初音源を出したら、久し振りにライヴがしたいし、ニルヴァーナやミッシェルのカバーもまた演りたい。バンドのメンバーにもそう話しておこう。


 ではまた、令和あたりで!!