2019年2月26日火曜日

純血に塗れて始まる歌

お師匠様の為、左の眼からぷっつり縫針を刺し入れ、挙句の果てに恋も夢も失くして、残された道は生活の思想化、二月二十六日に歌を謡うばかし

女と音楽の類いに
春・琴・抄


純血に塗れて始まる歌
未完の、終わらない詩


2019.2.26 Nori MBBM


2019年2月23日土曜日

Unfinished Ballades初音源、レコーディング完了!!

昨夜から今朝までUnfinished Balladesのレコーディングでした。この充実感は何だ、初めての感じです。



 もう目から鱗の連続、何より俺はギターが好きだが、やはり歌の人間なんだ、と実感いたしました。一発で決めてやる覚悟があるし、幾らでも歌ってやりたい欲もある。

 調子に乗って鍛錬を怠るのは不本意なので気を抜かずやってゆきますが、歌に関しては誰にも負けない自信があります。まあ自画自賛するとこそばゆくなってくるので、これ以上は手前の心の中だけにしときます。


エンジニアのタカシさんと歌入れ中の私

 エンジニアのタカシさん進行のもと、ギター、ボーカルと夜通しガツガツ録らせて頂きました。90年代にミリオンセールスを飛ばしまくった超有名な某バンドのセッション現場にも参加するプロのエンジニアさんです(お仕事なのでタカシさんの趣味ではないらしいが)。

 録った何テイクかを瞬時に「これはここが良い(もしくは悪い)」と的確に判断し、パチパチパチターン!と目にも留まらぬ早さでキーボードとマウスを操り(マヂで手が速すぎて見えない)、音の切り貼りや周波数を足したり削ったり……で、本当に楽曲が我々のイメージに近くなってゆくの、マヂで凄い、脱帽(一方、タカシさんは、着帽)



 ライヴとは違った頭の使い方で演奏や歌唱をしなけりゃならんのだが、本当に勉強になった。数名のプロのスタッフさんと数々の高価な機材を用いたレコーディング、初めてだからさ。まったく忘れられぬ有意義な一夜となりました。

 いま言える事は「最高の音源を聴かせてあげられるよ」ということ(最近このことばかり考えてピリピリしていたから、これでやっと寝つきが良くなるはず)。


レコーディング前に髪切った、どうでも良いか

 世界の何処にも負けない日本のロックンロールが出来ました。ほんの数曲だけどエグいの録れたから、Unfinished Balladesの初音源、ご期待ください。

 恥ずかしい話、カッコいい曲とか聴くと嫉妬してしまうものなのだが、今は誰のどんな音楽も嫌味なく、心地良く聴こえます。幸せになっちまったのか、ロックンロールで。鳴っちゃったんだよ鳴っちゃったんだよ初めてなんだよって、吉井さんもいつかアメリカでレコーディングした時に歌ってたもんな。これか!!


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 という訳で音源発売する頃にまたガッツリ告知いたします(これからミックス及びマスタリング作業や)!!それ迄は己が“カバーMVシリーズ”も進めておく。


 それではまた!!!


2019年2月14日木曜日

“This is for your bloody valentine day.”

「時々、あなたの代りに、私の女の目で物事を見てさしあげますわ。」
-アンリエット・ド・ルノンクール

 どうも2019年、残り僅かな平成、その31年……ノリ・エムビービーエムです。本日は平成最後のバレンタインデー、貴方に私からプレゼントです。



 バレンタインデーだから“マイブラ”……と見せかけて“ジザメリ”のカバーMVだ!!シューゲイザーと云えば大好きな“スロウダイヴ”は勿論、ネオグラムに括られる事もあった“アドラブル”や、大阪が生んだ奇跡みたいなバンド“ハニーディップ”に、知る人ぞ知るこれまた日本の“ウイユ”とか、必須科目として“ライド”やら“スワーヴドライバー”もそら聴いたけど、やっぱり“マイブラ”……と見せかけて“ジザメリ”なのだ(グラム歌謡メタル野郎その実は、“隠れシューゲイザー”であると此処に吐露する)。

 正確に言うと“ジザメリ”は、後のそれらのバンドに影響を与えたオリヂネーターというか、シューをゲイズする事に自覚的じゃなかった(そもそもジザメリのリード弟は「シューゲイズ・ムーヴメントなんて全部でっち上げで、シューゲイザーを自称していた奴は誰もいなかった」とインタビューで発言している)ので、シューゲイザーの枠に括られる事もなく、いつだって孤高のイカしたバンドでありました。彼の“ドアーズ”や“ヴェルヴェッツ”や“ストゥージズ”だって、様々なバンドの元になっているオリヂネーターで、サイケとかパンクの枠に収まりきらない巨大な磁場を持っていて、そこにみんな惹かれ、憧れちゃうんでしょ。


 以上、ジザメリをジザメリたらしめているものはソングライティングチームのリード兄弟で異論はないと思いますが、まるで地位や名誉に興味がなく、怠惰で適当で脱力した姿勢、音楽様式というより生き方としてのパンク──“Punk rock is an attitude.” by Joe Strummer──それが彼ら兄弟の魅力であると考えています。アルバムを聴いてくれたら分かるのですが、曲作りとかスゲー適当なの──結局、生き方がそうだと音楽様式もパンクとなる。

 今回、カバーするにあたってジザメリのアルバムを一枚一枚聴き直しました──夢幻の狂気が素敵な一枚目から、雨の日の午後の静寂が優しく沁み渡るよな二枚目に、その二枚目から使い始めた“リズムマシーン”という名の人工の肉体を完全に我が物として意のままに躍動する血気盛んな三枚目、しかしそんな愛すべき人造のハニーも死んで自暴自棄になって無敵なゾーンへと突入する四枚目、刹那、絶頂極めし覚醒モードからの賢者モードでシラフに成り果てた五枚目、と作を重ねる毎に下界の此方へ降りて来てハッキリと明瞭になってゆくイメージ、俺らやっぱし無邪気な白昼夢に酔うが如きファーストのサイコなキャンデーが好き!!もう馬鹿みたいにあま~い♥ジザメリしか勝たん──が、ギターは勿論、ベースとかドラムのフレーズも全然練られておらず、投げ遣りな繰り返しが多くて、「こんな気儘に考えずに演って良いんだ!」と手前の曲作りの励みになりました(いかんいかん)。そういえばオアシスの方の兄弟も「ドラムなんて下らねえ、あんなもんリズムマシーンに演らせとけば良いんだ」といった“リズム隊軽視発言”をしていましたが、自分もこんくらい堂々と言ってのけて実行へと移したいもんです。そんぢゃリード兄弟の原詩と私の日本語訳詞を載せて置きます。


「Just Like Honey」
作詞・作曲:ジム・リード&ウィリアム・リード

Listen to the girl
As she takes on half the world
Moving up and so alive
In her honey dripping beehive
Beehive
It's good,  so good,  it's so good
So good

Walking back to you
Is the hardest thing that
I can do
That I can do for you
For you

I'll be your plastic toy
I'll be your plastic toy
For you

Eating up the scum
Is the hardest thing for
Me to do

Just like honey
Just like honey

Just like honey
Just like honey…



日本語詞:Nori MBBM

一瞬、聴こえた
彼女の声に恋した
それか顔か話し方
今日の髪型
おかっぱ、おさげ、おだんご、おざんばら
It’s so good, so good

君の行きたいところへ
行くの大変だけど
とべる、できる、いける
For you

俺はプラスティック・トイ
君のプラスティック・トイ
For you

汗かき、ベソかき
今日も花を探す
ミツバチさ

Just Like Honey
Just Like Honey

花のように
花のように…



 それから今回ジザメリを選んだ訳は、敬愛する志磨遼平さんの「冬の朝には荘厳なギターノイズを」という何時かの言葉が、何年も己が頭の中に居座っていて、実際そんな気分だったし、冬が終わる迄にシューゲイザーのカバーを演らねば、と思っていたからであります。

 MVは中野駅近くの雑居ビル屋上で撮影しました。昨年の“ルー・リード”のカバーは高円寺駅近くのビル屋上(職場)で撮影したのですが、ビルの屋上って昔から好きなの、この世の終わりみたいで──ルーフトップコンサート、ビートルズの終わりみたいで。MVにちょろっと中央線が出てきますが、これも志磨さんマナー(→C列車でいこう)。


 んで今回のMVで私が着ているのは、数年前に高円寺の古着屋で買ったバーバリーの真っ赤なコート──生地もバリッとしていて暖かくて最高よ

 なかなか鮮やかな発色の赤なので、街を歩けばスーツのリーマン数人に指を差されて笑われた事もあったし、夜中のバーで知らん奴に「YMOのメンバー?(※アルバム“ソリッド・ステイト・サバイバー”のジャケ参照のこと)」と云われた事もありましたが、全くスベり散らかした人生だからって他人まで巻き込むなよな、そんなドスベり共と一線を画す己が一張羅であります。

 コートの下には“帽子が笑う……不気味に”のシャツを着たった。ボウイもボランも好きだったって云うし、今回のジザメリのカバーに似合うんぢゃないかしら、とサイケな気分で選びました(おのがシド・バレヱト♪


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 今日はじいちゃんから“真面目に、誠実に生きていれば、良いことがある”という事を教えて貰いました。じいちゃんの云っていた「人間、天狗になったら終わりだ」という言葉を胸に、誰よりも一生懸命に演ろう。


 我がバンド・Unfinished Balladesのレコーディング、来週で遂に完パケ予定です。

 平成が終わる迄にプレス、発売できるのか?!


 乞うご期待!!