2018年8月26日日曜日

80年代ヤンキーLOVE!!

真夏日から夏日の陽気へ「お、涼しくなってきたかな」と思っていたら、またもや東京は猛暑日であります。これが本当に平成最後の夏でしょう。



 恒例になりつつある“Nori MBBMのカバーMVシリーズ”、今回は横浜にある「海の公園」という海浜公園の人工の砂浜にて、“偉大なる金太郎飴”と呼ばれ永遠に上手くなろうとしなかった純然たるパンクバンド・ラモーンズのド直球ラヴソング「I wanna be your Boyfriend」のカバーMVを撮ってきました!俺らが名付けた邦題はまんま「彼氏になりたい」だ!髪もバッサリ切っただ!シドのTシャツとショットのダブルのライダースにブーツを履いて夏の海だ!

 さっきツイッターで流れてきたのだが、ちょうど今日グリーンデイの人もジョニー・ラモーン・トリビュートという名のイベントをハリウッドで演るらしい(俺らグリーンデイ聞かねえからなあ、、)


~~~~~~


 4、5年くらい前かな、まだバンドをやる前に一人宅録を始めた頃にも一度この曲をカバーした事があって、その時も手前で訳した日本語詞をつけていたのだけど、今回また訳詩を一から書き直し、新たにレコーディングしたという訳です。

 原曲に忠実なアレンジだった一度目の宅録と打って変わって今回は、ドラムの打ち込み、ギター、ボーカル、シンセ等を重ねてゆく中で、(この感じ、もしかして初期のBOOWYっぽい?2nd「インスタント・ラヴ」辺りに入っていても違和感ないよな?)と自問して、自答した結果が“はすっぱ”だとか“とびっきり”などのヒムロック的な歌詞となり、気分は宛ら80年代ヤンキーLOVE!!……レコーディング当初はスウィートやベイ・シティ・ローラーズ等のバンドに代表される様な70年代のグラムロック、バブルガムポップ、パワーポップ的なアレンジを狙っていたのですがね(冒頭と終盤のツインのリードがその名残)。

 日々の夜勤漬けによる手前の枯れた声も氷室京介が“狂介”の時のものか氣志團の綾小路翔か、即ち“80年代の不良/ヤンキー”が矢張り今回の裏テーマでありまして、“イカシてる”、“マブい”といった言葉の他に“ホの字”、“当たり前田の~”なんていう昭和の死語もバシバシ多用して演ったのです。死後だけじゃなく“死語”の方も輪廻で生き返らせないとね、逆にそろそろ新しいよねって感じ──80年代ヤンキーLOVE!!


 いつもの如く歌詞をここに載せて置きますが、今回は前半が原詞のまま、後半が手前の訳詞となっております(これを80年代のヤンキーは“ルースターズの大江方式”と呼ぶのだぞ、分かったな)。


「彼氏になりたい -I wanna be your Boyfriend-」
作詞・作曲:トミー・ラモーン
日本語詞:Nori MBBM


Hey, little girl, I want to be your boyfriend
Sweet little girl, I want to be your boyfriend

Do you love me babe?
What do you say?
Do you love me babe?
What can I say?

Because I wanna be your boyfriend
Hey, little girl, I wanna be your boyfriend
Sweet little girl, I wanna be your boyfriend

Uh, うぅ、うん…

ああ、あんたの彼氏はイカシてる

マブいのさ
俺はなりたい、ボーイフレンド
ホの字だぜ
当たり前田のボーイフレンド

好きなのか
分からないぜ
好きなのさ
敢えて言うよ

ああ、あんたの彼氏はイカレてる

マブいのさ
俺はなりたい、ボーイフレンド
ホの字だぜ
俺はなるぜ、ボーイフレンド
はすっぱで
とびっきりのボーイフレンド


~~~~~~


 それにしても台風20号の通過直後にロケした(スケジュール的にその日しか行けなかった)ので、滝の様な豪雨に何度も見舞われ、都度、撮影中断する羽目となり、思ったよりも疲れたのだぜ。

 そのお陰と言って良いのかは分からないが、朝から昼過ぎまで3、4時間もだだっ広い砂浜に居て、出会ったのは家族一組のみ(お母さんと女の子と男の子が元気そうに遊んでいた)、大きく臨む海を贅沢にもほぼ一人占め状態、しかし嵐の様な天候というカオスいや真輔的ケイオス。

 MVの途中で画面全体がブルブル震えているのは編集でなし、砂浜に深く突き刺した三脚で以てカメラが強風に耐えている為です。

 また何時か海で撮影する時は、天候の穏やかな日にしよう。砂と潮に塗れて全身ベタベタになった私は、そう誓ったのでした……(帰宅後即シャワー、そのまま仕事へ)


 それではまたの秋に、左様なら。平成最後の8月、有難う。


2018年8月10日金曜日

平成最後の夏は何色?

平成30年8月、国の予定ですとこれで“平成最後の夏”という事になります。明日からお盆休みの方も多いのでしょうか?こちとらお盆も絶賛6連勤!!(滝汗←40℃近い東京のアスファルト照り返しジリジリ攻撃)



 さて今回は、日本フォークロック界の異端児・あがた森魚さんが1972年に発表して大ヒットした「赤色エレジー」をカバー致しました。

 以前よりこの曲は“カバーしたい”でなし、“カバーしなければならない”類いのものでした(日本人として生まれたからには)。白状すれば10代の終わりか20代の始め頃、あがたさんを知ったのは矢張りイエモンの吉井さんからの影響でした。

 吉井さんもそうだったと思うのですが、あがたさんの唄を初めて聴いた時、幼い頃のトラウマを喚起させられる様な衝撃を受けたのです。迸るノスタルジーを剥き出しに、「あゝ寂しいよ」と云わんばかりに、こんなにも遠慮なく泣く様に唄を歌って良いんだ、と吉井さん共々かなり影響を受けた歌い手の一人であります。


~~~~~~


 楽曲に関して、原曲はアコースティックで温かみのある素朴な佇まいでしたが、私はエレキギターで、それも歪ませていないクリーントーンのストラトを中心に、いつもの打ち込みとシンセサイザーの重ね録りによって、現代のオルタナロックを経由した後のふてぶてしいアレンジで以てカバー致しました(ボコンボコンいうドラムやジャキッとしたギターは蓋しNum-Ami-Dabutz的、ナンバーガールで候)。

 但し、楽曲の本質である“モボ・モガ”がアンニュイな表情を浮かべる様な、否、高度経済成長の陰に生きる幸子と一郎の貧困の喘ぎないし情欲の喘ぎが如き、大正~昭和に築造された木造家屋の湿った香り、そういった雰囲気は継承させて頂いたつもりです。

 優れた表現者とは“ノスタルジーの洪水”である(己が持論)。それが、あがたさんと彼の歌たちの答え(己が推論)。


 またMV(映像)に関してですが、毎年お盆に実家へ帰省していた時の記憶をもとに撮影、編集いたしました。

 小さい頃、実家の離れの畳の上に独り寝っ転がり、顔に見える天井の木目やふすま障子、ポロポロ崩れ落ちる砂壁に囲まれ乍ら、時折町の何処かから流れてくる祭り囃を耳にして、永遠に懐かしくなってノスタルジーに溺れて時間を失くした様な、そんな不可思議な夏の日の記憶を再現してみたかったのです(MVラストで聞こえる、遥か遠い村で謡われている、幻みたく朧気な“炭坑節”とかね)。あと風鈴のチリンチリンいう映像も撮っていたけど尺に収まりきらず、あえなくカット。

 あの“あがたさん”の曲なので私も私のノスタルジーやトラウマをだだ漏れで、感傷に浸るというより溺れながら演った訳です。


 MVのロケ地については、いま住んでいる高円寺の前に住んでいた処で撮影したものでして、其処はかつて文豪や詩人が多く住む街でもありました(あがたさんの敬愛する稲垣足穂の他、宇野千代と尾﨑士郎、川端康成に三島由紀夫、室生犀星や北原白秋など)。それから、MVに小道具として登場させた丸尾末広の漫画は“手前にとっての昭和”を表したものです←そこはお前、林静一の「赤色エレジー」だろ!と突っ込まれそうだが、私のノスタルジーやトラウマが選んだのは丸尾末広だから仕様がない!!上段で「楽曲の本質である“モボ・モガ”がアンニュイな表情を浮かべる様な、否~」と口走ってしまったのは、その為である。


~~~~~~


 Unfinished BalladesのレコーディングやCosmic Hallsの新曲作りも、地道にコツコツとやっておりましてよ。

 それではまた、ご機嫌よう。