2018年8月10日金曜日

平成最後の夏は何色?

平成30年8月、国の予定ですとこれで“平成最後の夏”という事になります。明日からお盆休みの方も多いのでしょうか?こちとらお盆も絶賛6連勤!!(滝汗←40℃近い東京のアスファルト照り返しジリジリ攻撃)



 さて今回は、日本フォークロック界の異端児・あがた森魚さんが1972年に発表して大ヒットした「赤色エレジー」をカバー致しました。

 以前よりこの曲は“カバーしたい”でなし、“カバーしなければならない”類いのものでした(日本人として生まれたからには)。白状すれば10代の終わりか20代の始め頃、あがたさんを知ったのは矢張りイエモンの吉井さんからの影響でした。

 吉井さんもそうだったと思うのですが、あがたさんの唄を初めて聴いた時、幼い頃のトラウマを喚起させられる様な衝撃を受けたのです。迸るノスタルジーを剥き出しに、「あゝ寂しいよ」と云わんばかりに、こんなにも遠慮なく泣く様に唄を歌って良いんだ、と吉井さん共々かなり影響を受けた歌い手の一人であります。


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 楽曲に関して、原曲はアコースティックで温かみのある素朴な佇まいでしたが、私はエレキギターで、それも歪ませていないクリーントーンのストラトを中心に、いつもの打ち込みとシンセサイザーの重ね録りによって、現代のオルタナロックを経由した後のふてぶてしいアレンジで以てカバー致しました(ボコンボコンいうドラムやジャキッとしたギターは蓋しNum-Ami-Dabutz的、ナンバーガールで候)。

 但し、楽曲の本質である“モボ・モガ”がアンニュイな表情を浮かべる様な、否、高度経済成長の陰に生きる幸子と一郎の貧困の喘ぎないし情欲の喘ぎが如き、大正~昭和に築造された木造家屋の湿った香り、そういった雰囲気は継承させて頂いたつもりです。

 優れた表現者とは“ノスタルジーの洪水”である(己が持論)。それが、あがたさんと彼の歌たちの答え(己が推論)。


 またMV(映像)に関してですが、毎年お盆に実家へ帰省していた時の記憶をもとに撮影、編集いたしました。

 小さい頃、実家の離れの畳の上に独り寝っ転がり、顔に見える天井の木目やふすま障子、ポロポロ崩れ落ちる砂壁に囲まれ乍ら、時折町の何処かから流れてくる祭り囃を耳にして、永遠に懐かしくなってノスタルジーに溺れて時間を失くした様な、そんな不可思議な夏の日の記憶を再現してみたかったのです(MVラストで聞こえる、遥か遠い村で謡われている、幻みたく朧気な“炭坑節”とかね)。あと風鈴のチリンチリンいう映像も撮っていたけど尺に収まりきらず、あえなくカット。

 あの“あがたさん”の曲なので私も私のノスタルジーやトラウマをだだ漏れで、感傷に浸るというより溺れながら演った訳です。


 MVのロケ地については、いま住んでいる高円寺の前に住んでいた処で撮影したものでして、其処はかつて文豪や詩人が多く住む街でもありました(あがたさんの敬愛する稲垣足穂の他、宇野千代と尾﨑士郎、川端康成に三島由紀夫、室生犀星や北原白秋など)。それから、MVに小道具として登場させた丸尾末広の漫画は“手前にとっての昭和”を表したものです←そこはお前、林静一の「赤色エレジー」だろ!と突っ込まれそうだが、私のノスタルジーやトラウマが選んだのは丸尾末広だから仕様がない!!上段で「楽曲の本質である“モボ・モガ”がアンニュイな表情を浮かべる様な、否~」と口走ってしまったのは、その為である。


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 Unfinished BalladesのレコーディングやCosmic Hallsの新曲作りも、地道にコツコツとやっておりましてよ。

 それではまた、ご機嫌よう。


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