2019年2月14日木曜日

“This is for your bloody valentine day.”

「時々、あなたの代りに、私の女の目で物事を見てさしあげますわ。」
-アンリエット・ド・ルノンクール

 どうも2019年、残り僅かな平成、その31年……ノリ・エムビービーエムです。本日は平成最後のバレンタインデー、貴方に私からプレゼントです。



 バレンタインデーだから“マイブラ”……と見せかけて“ジザメリ”のカバーMVだ!!シューゲイザーと云えば大好きな“スロウダイヴ”は勿論、ネオグラムに括られる事もあった“アドラブル”や、大阪が生んだ奇跡みたいなバンド“ハニーディップ”に、知る人ぞ知るこれまた日本の“ウイユ”とか、必須科目として“ライド”やら“スワーヴドライバー”もそら聴いたけど、やっぱり“マイブラ”……と見せかけて“ジザメリ”なのだ(グラム歌謡メタル野郎その実は、“隠れシューゲイザー”であると此処に吐露する)。

 正確に言うと“ジザメリ”は、後のそれらのバンドに影響を与えたオリヂネーターというか、シューをゲイズする事に自覚的じゃなかった(そもそもジザメリのリード弟は「シューゲイズ・ムーヴメントなんて全部でっち上げで、シューゲイザーを自称していた奴は誰もいなかった」とインタビューで発言している)ので、シューゲイザーの枠に括られる事もなく、いつだって孤高のイカしたバンドでありました。彼の“ドアーズ”や“ヴェルヴェッツ”や“ストゥージズ”だって、様々なバンドの元になっているオリヂネーターで、サイケとかパンクの枠に収まりきらない巨大な磁場を持っていて、そこにみんな惹かれ、憧れちゃうんでしょ。


 以上、ジザメリをジザメリたらしめているものはソングライティングチームのリード兄弟で異論はないと思いますが、まるで地位や名誉に興味がなく、怠惰で適当で脱力した姿勢、音楽様式というより生き方としてのパンク──“Punk rock is an attitude.” by Joe Strummer──それが彼ら兄弟の魅力であると考えています。アルバムを聴いてくれたら分かるのですが、曲作りとかスゲー適当なの──結局、生き方がそうだと音楽様式もパンクとなる。

 今回、カバーするにあたってジザメリのアルバムを一枚一枚聴き直しました──夢幻の狂気が素敵な一枚目から、雨の日の午後の静寂が優しく沁み渡るよな二枚目に、その二枚目から使い始めた“リズムマシーン”という名の人工の肉体を完全に我が物として意のままに躍動する血気盛んな三枚目、しかしそんな愛すべき人造のハニーも死んで自暴自棄になって無敵なゾーンへと突入する四枚目、刹那、絶頂極めし覚醒モードからの賢者モードでシラフに成り果てた五枚目、と作を重ねる毎に下界の此方へ降りて来てハッキリと明瞭になってゆくイメージ、俺らやっぱし無邪気な白昼夢に酔うが如きファーストのサイコなキャンデーが好き!!もう馬鹿みたいにあま~い♥ジザメリしか勝たん──が、ギターは勿論、ベースとかドラムのフレーズも全然練られておらず、投げ遣りな繰り返しが多くて、「こんな気儘に考えずに演って良いんだ!」と手前の曲作りの励みになりました(いかんいかん)。そういえばオアシスの方の兄弟も「ドラムなんて下らねえ、あんなもんリズムマシーンに演らせとけば良いんだ」といった“リズム隊軽視発言”をしていましたが、自分もこんくらい堂々と言ってのけて実行へと移したいもんです。そんぢゃリード兄弟の原詩と私の日本語訳詞を載せて置きます。


「Just Like Honey」
作詞・作曲:ジム・リード&ウィリアム・リード

Listen to the girl
As she takes on half the world
Moving up and so alive
In her honey dripping beehive
Beehive
It's good,  so good,  it's so good
So good

Walking back to you
Is the hardest thing that
I can do
That I can do for you
For you

I'll be your plastic toy
I'll be your plastic toy
For you

Eating up the scum
Is the hardest thing for
Me to do

Just like honey
Just like honey

Just like honey
Just like honey…



日本語詞:Nori MBBM

一瞬、聴こえた
彼女の声に恋した
それか顔か話し方
今日の髪型
おかっぱ、おさげ、おだんご、おざんばら
It’s so good, so good

君の行きたいところへ
行くの大変だけど
とべる、できる、いける
For you

俺はプラスティック・トイ
君のプラスティック・トイ
For you

汗かき、ベソかき
今日も花を探す
ミツバチさ

Just Like Honey
Just Like Honey

花のように
花のように…



 それから今回ジザメリを選んだ訳は、敬愛する志磨遼平さんの「冬の朝には荘厳なギターノイズを」という何時かの言葉が、何年も己が頭の中に居座っていて、実際そんな気分だったし、冬が終わる迄にシューゲイザーのカバーを演らねば、と思っていたからであります。

 MVは中野駅近くの雑居ビル屋上で撮影しました。昨年の“ルー・リード”のカバーは高円寺駅近くのビル屋上(職場)で撮影したのですが、ビルの屋上って昔から好きなの、この世の終わりみたいで──ルーフトップコンサート、ビートルズの終わりみたいで。MVにちょろっと中央線が出てきますが、これも志磨さんマナー(→C列車でいこう)。


 んで今回のMVで私が着ているのは、数年前に高円寺の古着屋で買ったバーバリーの真っ赤なコート──生地もバリッとしていて暖かくて最高よ

 なかなか鮮やかな発色の赤なので、街を歩けばスーツのリーマン数人に指を差されて笑われた事もあったし、夜中のバーで知らん奴に「YMOのメンバー?(※アルバム“ソリッド・ステイト・サバイバー”のジャケ参照のこと)」と云われた事もありましたが、全くスベり散らかした人生だからって他人まで巻き込むなよな、そんなドスベり共と一線を画す己が一張羅であります。

 コートの下には“帽子が笑う……不気味に”のシャツを着たった。ボウイもボランも好きだったって云うし、今回のジザメリのカバーに似合うんぢゃないかしら、とサイケな気分で選びました(おのがシド・バレヱト♪


~~~~~~


 今日はじいちゃんから“真面目に、誠実に生きていれば、良いことがある”という事を教えて貰いました。じいちゃんの云っていた「人間、天狗になったら終わりだ」という言葉を胸に、誰よりも一生懸命に演ろう。


 我がバンド・Unfinished Balladesのレコーディング、来週で遂に完パケ予定です。

 平成が終わる迄にプレス、発売できるのか?!


 乞うご期待!!


0 件のコメント:

コメントを投稿